ウクライナ北部 ロシア軍が学校を攻撃 国際社会から非難相次ぐ

ウクライナ北部のチェルニヒウ州では12日、学校がロシア軍の攻撃を受けて3人が死亡しました。
7日にも市民が避難していたウクライナ東部の学校が空爆を受けおよそ60人が死亡したばかりで、ゼレンスキー大統領が攻撃を強く非難したほか、国際社会からもロシアへの非難が相次いでいます。

ウクライナの非常事態庁は、北部のチェルニヒウ州で12日未明、学校がロシア軍の攻撃を受け、3人が死亡、12人がけがをしたと明らかにしました。

7日には、多くの市民が避難していた東部ルハンシク州の学校が空爆を受け、およそ60人が死亡したばかりで、ゼレンスキー大統領は、12日に公開した動画で「学校を攻撃して何を得られるというのだ。このような命令を下せるロシア軍の司令官たちは病的で救いようがない」と強く非難しました。

ウクライナの検察当局は、12日の時点で、少なくとも226人の子どもがロシアの軍事侵攻により死亡したとしています。

子どもや学校が攻撃の対象になり被害が相次いでいる現状をめぐっては、12日に開かれた国連の安全保障理事会の会合で、ユニセフ=国連児童基金の担当者が「この1か月だけで100人近くの子どもが殺害されたことを確認したが、実際はさらに多いとみられる」と報告し、各国の大使からはロシアを非難する発言が相次ぎました。

これに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナ軍が学校などを拠点として使い子どもの命を危険にさらしているなどと一方的に主張しました。

こうした中で、ロシア軍による戦争犯罪が疑われる事案も明らかになっています。

アメリカのCNNテレビが入手した映像には、ことし3月、ロシア軍の兵士とみられる人物が首都キーウ近郊にある自動車販売店のオーナーと警備員とされる2人を後ろから銃撃する様子や、店内を物色する様子が記録されています。

CNNによりますと、銃撃された2人は死亡したということで、ウクライナの検察当局が戦争犯罪の疑いで捜査を進めていると伝えています。
一方、東部の要衝マリウポリ市の市長顧問、アンドリュシェンコ氏は、12日、SNSで「マリウポリのロシアへの編入に向けて住民投票を計画しているという情報がある」と明らかにしました。

住民投票が、今月15日に予定されているという情報もあるとしています。

また、南部ヘルソン州でも、親ロシア派勢力の幹部が、プーチン大統領にヘルソン州を編入するよう要請したうえで、住民投票を経ずに編入を進めるための法的な枠組みを年内に整える考えを明らかにしていて、ロシアが掌握したと主張する地域で支配を既成事実化する動きが強まっています。