生理用品の無料配布を社会のインフラに 大阪の駅でも実証実験

経済的な理由から生理用品が買えない「生理の貧困」が社会的な問題になっています。こうした「生理用品」が、公共のトイレなどで、誰でも簡単に、そして無料で手に入るよう、社会インフラの一つとして提供しようという取り組みが始まっています。

大阪のターミナル駅のひとつ、南海電鉄の難波駅では、駅のトイレで生理用品を無料で配布する実証実験が、13日から実施されることになりました。

実証実験は、女性の健康をサポートしている大阪の企業が、南海電鉄などと共同で13日から実施します。
南海難波駅の改札内にある女子トイレの個室の中に専用の機械を設置し、アプリを登録したスマホをかざすと生理用ナプキンが無料で出てくる仕組みです。
1回受け取ると2時間利用できず、1か月の上限は7個です。

実施する企業は南海難波駅のほか、近くの商業施設などあわせて7か所のトイレで実証実験を行い、利用状況や効果などを検証することにしています。

実験を行う企業「ネクイノ」福永有理 部長は「トイレットペーパーと同じように生理用品が安心して無料で受け取れることが当たり前になるように広めていきたい」と話していました。
南海電鉄イノベーション創造室 冨重真帆さん
「困ったときに使ってもらえるという安心を提供したい。利用者の声を聞きながら、多様なお客さまの利便性向上を目指したい」

生理用品を無料配布 自治体でも広がり

生理用品を無料で配布する動きは、自治体の中でも広がっています。

大阪・泉大津市は、「生理の貧困」が大きな社会問題となったことを受け、誰もが必要な時に生理用品を使えるようにしようと市役所や図書館といった公共施設のトイレで生理用品の無料配布を去年11月から行っています。

市役所1階の女子トイレでは、生理用品が入った機械が個室に設置され、専用のスマホのアプリをかざせば生理用ナプキンを無料で受け取ることができます。

市内の3つの施設にあるトイレで無料配布を行っていて、今後、導入する施設を増やしていきたいとしています。
泉大津市・人権くらしの相談課 寺内基将・女性活躍推進担当長
「生理というのは、女性特有の現象ではあるが、トイレにトイレットペーパーはあるが、生理用品は置いていないので必要な時に無料で使ってもらえるようにした。行政で取り組みを進めることで市民の方にも便利だと声をあげていただき、民間の事業者にも展開してもらいたい。男性や民間の事業所にも生理やジェンダーギャップについて理解してもらうきっかけになればと思っています」

小中学校のトイレに常備するところも

泉大津市では、ことし1月から市内に11あるすべての小中学校の女子トイレで生理用品の常備を始めました。

このうち穴師小学校では、4年生以上の児童が利用する女子トイレの個室に生理用ナプキンを入れるケースを置き、必要な児童がいつでも使えるようにしています。
ナプキンの補充は、男子も含め掃除当番などの児童が行っているということで、学校では小学生のうちから生理は特別なことではなく、自然なことだと認識してもらいたいとしています。

以前は、生理用品が必要な児童が保健室に行って養護教諭から受け取る形を取り、月に数回しか申し出がありませんでしたが、トイレに常備するようになってからは、1か月に20から30個ほど補充しているということです。
穴師小学校 養護教諭 橋田直美さん
「小学校のトイレに生理用品があることで、誰もが自然に使えることが正しいことだと小学生のうちに認識してもらうことは大切だと思います。時代の流れで生理用品はいつでも手にはいるという環境を作っていきたい」

海外では公共施設での配布を法律で義務付けも

「生理の貧困」が社会問題となったことを後押しに広がる生理用品の無料配布。

専門家によりますと、スコットランドでは、公共の施設での配布を法律で義務づけているということです。
大阪大学大学院 杉田映理 准教授
「みんななかなか口に出せなかったけど、気がついてみるとすごく大事な問題だし、なかなか語れなかったからこそ情報もほしいし、悩みも共有したい。生理用品が学校なり公共施設なりにあることで、生理についても語りやすくなる、そういう一助になればと思います」