NTTグループ 昨年度決算 最終利益 初の1兆円超え 過去最高

NTTグループの昨年度1年間の決算は、国内外で企業のDX=デジタル変革の取り組みが急速に広がり、ITサービスの需要が増えていることから、最終的な利益は初めて1兆円を超え、過去最高となりました。

NTTグループの昨年度の業績は、売り上げに当たる営業収益が前の年度より1.8%増えて12兆1564億円、最終的な利益が28.9%増えて1兆1810億円で、いずれも過去最高となりました。

新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、企業のDX=デジタル変革の取り組みが急速に広がり、国内外でITサービスの需要が増えたことや、テレワークの拡大で家庭向けのインターネットサービスの契約が増えたことなどが主な要因です。

NTTでは、引き続き国内外でDXの需要が旺盛なことなどから、今年度の業績についても増収増益を見込んでいます。

NTTの澤田純社長は12日の会見で「緊迫化している世界情勢やコロナの影響などさまざまなリスクがある中、新ドコモグループのシナジー=相乗効果や海外需要の成長、そしてDXのさらなる推進を通じて、成長に向けた施策展開を進める年としたい」と述べました。

島田明副社長の社長昇格を発表

またNTTは、澤田純社長が会長につき、後任の社長に島田明副社長を昇格する人事を発表しました。

発表によりますと、社長の交代はことし6月づけで、澤田社長は代表権のある会長につき、後任の社長として島田副社長を昇格させます。

島田氏は64歳。

人事や総務の経験が長く、転勤や単身赴任の原則廃止などグループ内の働き方改革を推進してきました。

島田氏は、12日の会見で「経済情勢や事業環境の先行きが不透明な現在、ダイナミックにみずから変革を続けるNTTグループをつくっていきたい」と述べました。

新たな体制では島田氏がグループ全体の事業のかじ取りを担い、会長の澤田氏はガバナンス=企業統治や「IOWN」と呼ばれる光技術を使った次世代ネットワークの世界展開に引き続き携わる見通しです。

澤田氏は「IOWN構想のもと、一人一人が幸せを感じられるように、技術の開発や導入をこの先も進めていきたい」と述べました。