英 スウェーデンとフィンランドへ有事の際は軍事支援決める

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、NATO=北大西洋条約機構への加盟申請を検討しているスウェーデンとフィンランドに対し、イギリスは、有事の際、軍事支援することを決め、両国への軍事的な行動に出る可能性も指摘されるロシアをけん制するねらいがあるとみられます。

イギリスのジョンソン首相は11日、北欧のスウェーデンとフィンランドを相次いで訪問し、両国が攻撃の脅威にさらされるなど有事の際には、軍事面での支援を行うことで合意しました。

この中では機密情報の共有や共同軍事訓練の強化などのほか、サイバー攻撃などに対する支援も行うとしています。

さらに両国との防衛協力として、イギリスの陸海空軍を配置する方針も示しました。

スウェーデンとフィンランドは、これまで、軍事的に中立の立場を続けてきましたが、ロシアのウクライナ侵攻でヨーロッパの安全保障の環境が大きく変わったとして、軍事同盟であるNATO=北大西洋条約機構に加盟を申請する検討を進めていて、近く結論を出す予定です。

ただ、両国が実際に加盟するまでの期間に、ロシアが軍事的な行動に出る可能性も指摘されていて、イギリスが有事の際に両国を軍事支援するという今回の合意はロシアをけん制するねらいがあるとみられます。

フィンランドでの記者会見でジョンソン首相は「われわれのどちらかが攻撃を受けた時など、軍事面も含め、お互いに支援をするということだ」などと意義を強調しました。

また、フィンランドのニーニスト大統領は、NATO加盟申請の動きに反発するロシアに対し「この事態を引き起こしたのは、プーチン大統領自身だ。鏡を見ろと言いたい」と述べて批判しました。