岸田首相とフィンランド首相“ロシアにきぜんと対応継続”一致

岸田総理大臣は、日本を訪れているフィンランドのマリン首相と首脳会談を行い、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を強く非難するとともに、両国を含む普遍的価値を共有する国々できぜんとした対応を続ける方針で一致しました。

岸田総理大臣は、初めて日本を訪れているフィンランドのマリン首相と今夜6時すぎからおよそ1時間、総理大臣官邸で会談しました。

冒頭、岸田総理大臣は「ロシアによるウクライナ侵略は、ヨーロッパのみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為だ。歴史の岐路に立ついま、フィンランドをはじめとする普遍的価値を共有する国々との結束が求められている。自由で開かれたインド太平洋に向けても連携していきたい」と述べました。
これに対しマリン首相は「私たちは共通の価値を共有している。ロシアのウクライナに対する戦争は、ヨーロッパの安全保障だけでなく、グローバルな環境に大きな変化をもたらした。中国はみずからの力をどう使うか画策しているのではないかと思う」と述べました。

そして、両首脳は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を強く非難するとともに、両国を含む普遍的価値を共有する国々できぜんとした対応を続ける方針で一致しました。

そのうえで、ヨーロッパとインド太平洋の安全保障は不可分であり、力による一方的な現状変更は世界のどこであっても認められないという認識を共有しました。

また、経済や科学技術など幅広い分野で協力関係を拡大し、特に、先端技術や再生可能エネルギーの分野で協力を強化するほか、核兵器のない世界に向けた取り組みで連携していくことを確認しました。

マリン首相 “国連改革についても意見交わした”

首脳会談のあとの記者会見でマリン首相は「日本とフィンランドの関係は共通の価値に基づいている。岸田総理大臣との会談で連帯を強く感じることができた」と述べました。

そして、ロシアのウクライナへの軍事侵攻について「ロシアは公然と国際法と国連憲章をおかしており、これはどの国からも受け入れられず、ましてや国連の安全保障理事会の常任理事国としては到底認められない」と強く非難し、軍事侵攻を止めるためロシアに対するエネルギーや金融の分野などでのさらなる制裁が必要だと強調しました。

また、スウェーデンとともにNATO=北大西洋条約機構への加盟申請を検討していることを岸田総理大臣に伝えたとして「私たちがNATOに加盟すれば、共通の価値観をもつ国際社会の強化につながる」と述べ、その意義を強調しました。

さらに、国連の改革についても意見を交わしたとして「ロシアの行動は権力の乱用だ。安保理に透明性と実効性をもたせることが必要だ」と述べ、日本と連携して安保理改革にも取り組んでいく姿勢を示しました。