米情報機関 “中国の台湾侵攻 より慎重になっている可能性”

アメリカの情報機関のトップは、台湾統一を目指す中国について、ウクライナへの軍事侵攻で苦戦が伝えられるロシア軍の状況を踏まえ、台湾への侵攻について、より慎重になっている可能性があるとの見方を示しました。

アメリカの情報機関を統括するヘインズ国家情報長官は10日、議会上院の公聴会で、台湾統一を目指す中国について「彼らは、われわれの介入を押し切って台湾を奪えるように懸命に取り組んでいる」と述べて、軍備の増強を進めているとの見方を示しました。

ただ「中国は武力衝突を避ける形で強制的に統一することを望んでいる」と述べて、軍事力を行使せずに統一を実現するため、外交、経済、軍事面で圧力を強めているとの考えを示しました。

さらにヘインズ長官は、中国がロシアによるウクライナへの侵攻について分析を続けているとの見方を示し「中国は欧米各国が一致して制裁を打ちだしたことに驚いている。彼らは台湾の文脈でもこのことを考えるだろう」と述べました。

そのうえで「ロシアで起こったことを見て、中国の自信は揺らいでいるかもしれない」と指摘し、苦戦が伝えられるロシア軍の状況を踏まえ、台湾への侵攻について、より慎重になっている可能性があるとの見方を示しました。