全国の旅客船 通信設備チェック強化へ 沈没事故を受け 国交省

北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故で、船の通信設備が不十分だったにもかかわらず国が船舶検査を通過させたことを踏まえ、国土交通省は全国の旅客船を対象に実際に船を航行させて陸上と確実に通信できるか点検するなど、通信設備のチェックを強化する方針を固めました。

知床半島の沖合で観光船「KAZU 1」が沈没し、14人が死亡、12人が行方不明になっている事故では、船の通信設備が電波の届かないエリアがある携帯電話だったにもかかわらず船舶検査を通過していたことが明らかになりました。

国土交通省は船舶検査が不十分だった可能性があるという認識を示し、現在行っている全国の旅客船の事業者への緊急の安全点検で、船の通信設備についてのチェックを強化する方針を固めました。

具体的には、通信設備が携帯電話の場合、携帯電話会社が公表している「通話エリア図」を調べ、電波が届かない「不感地帯」がないかどうか確認するほか、実際に船を航行させて陸上と確実に通信できるか点検するとしています。

小型船舶の安全対策をめぐっては、11日に開かれる国の委員会で船舶検査の実効性の向上などについての議論が始まる見通しです。