知床 観光船沈没 きょうも無人潜水機で行方不明者の捜索

北海道の知床半島沖で14人が死亡、12人が行方不明となった観光船の沈没事故で、船が沈没した現場海域では9日も民間業者の無人潜水機による捜索が続けられています。

先月23日、知床半島の沖合で乗客乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1」(19トン)が沈没した事故は、乗客14人が死亡、今も12人が行方不明になっています。

観光船は水深およそ120メートルの海底に沈んでいるのが見つかり、現場海域では9日も午前7時すぎから民間のサルベージ会社の船が無人潜水機を使って海中の捜索にあたっています。

第1管区海上保安本部によりますと、午前11時現在で新たな手がかりは見つかっていませんが、無人潜水機による9日の捜索は日中いっぱい続けられる予定だということです。

サルベージ会社では今月中には「飽和潜水」と呼ばれる深い海に対応できる方法で潜水士を潜らせて船内に取り残された人がいないか捜索にあたるほか、船体の引き揚げに向けた調査も行う予定です。

一方、海上保安本部や自衛隊などは知床半島周辺から北方領土の国後島周辺にかけての海上で捜索を続け行方不明者の発見を急ぐことにしています。

官房長官 “国交省の事故対策検討委 初会合は今週中開催で調整”

松野官房長官は午前の記者会見で「国土交通省において有識者から構成される事故対策検討委員会については第1回会合を今週中に行う予定で調整していて、あす発表すると報告を受けている。地域の特性も踏まえた再発防止策を検討するため、委員には北海道の地域事情に詳しい関係者も含まれる見込みで、その点も含めあす発表される」と述べました。

そのうえで「二度と今回のような悲惨な事故を起こさないよう、政府として精力的に取り組みを進めたい」と述べました。

斜里町の港で水難事故に備え訓練

行方不明者の捜索が続く中、斜里町の港では9日、大型観光船が水難事故に備えた訓練を行いました。

訓練は観光船の事業者に年に1回義務づけられているもので、事故を起こした船と同じウトロ港を拠点に大型観光船を運航する会社では毎年この時期に行っています。

大型船は乗客の定員が390人で、冬は流氷観光船として春から秋にかけてはクルーズ船として運航されています。

9日は乗員15人が参加し、事故で浸水したという想定で船から脱出する手順などを確認しました。

訓練ではまず救命ボートを船の横に下ろし、エンジンを取り付けました。続いて下ろした訓練用の救命いかだに船のへりから乗客役の船員たちが次々と飛び乗ると、いかだは救命ボートにけん引されて岸壁まで移動していました。

大型船には25人乗りの救命いかだが16個備えられ、乗客全員が乗り込めるということです。

この運航会社では今回の事故を踏まえて今月19日まで運航を見合わせていて高橋晃社長は「運航再開を求める問い合わせも多くいただいているが、まずは安全に運航するための準備を進めたい」と話していました。