英地方選 与党・保守党が多数の議席失う パーティー問題影響か

イギリス各地で行われた地方選挙で、与党・保守党は、新型コロナの規制が続く中、首相官邸でパーティーが開かれていた問題などから、多くの議席を失いました。ジョンソン首相は、厳しい結果だと認める一方、今後も政権を担う意欲を示しました。

イギリスのイングランドとスコットランド、それにウェールズでは5日、およそ200の自治体の議会の、合わせて7000議席近くを改選する選挙が行われました。

公共放送BBCによりますと、開票作業はほぼ終わり、与党・保守党は500近くの議席を失いました。

首都ロンドンのウエストミンスターなど、保守党が地盤としてきた複数の選挙区で、野党に主導権を奪われ、背景には新型コロナの規制が続く中、首相官邸でパーティーが行われていた問題などがあると見られています。

ジョンソン首相は6日、厳しい結果だったと認める一方で「経済を前進させるため、エネルギーの供給問題などに取り組んでいく」などと述べ、今後も政権を担う意欲を示しました。

これに対し、最大野党の労働党や自由民主党は大きく議席を増やしましたが、地元メディアは、その勢いは局地的で、次の国政選挙に影響を及ぼすほどではないとしています。

また、北アイルランドでは自治議会の選挙が行われ、開票はまだ続いていますが、カトリック系で、アイルランドとの統合を目指すシン・フェイン党が第1党となる見通しが強まっています。

シン・フェイン党は、過去に武装闘争を繰り返してきた過激派組織、IRA=アイルランド共和軍の政治部門が前身の政党だけに、今後の動きが注目されています。