「戦勝記念日」前にロシア軍の攻撃続く G7はオンライン会合へ

ロシア軍は、第2次世界大戦の勝利を祝う今月9日の「戦勝記念日」を前にウクライナ東部の要衝マリウポリの完全掌握に向け攻撃を続けています。一方、G7=主要7か国はそれに先立ち8日に会合を開き、ウクライナへの連帯を改めて示すとともにロシアへのさらなる制裁などについて協議すると見られ、圧力を強める構えです。

ロシア国防省は6日、空軍がミサイルを発射し、ウクライナ東部のルハンシク州など31か所を攻撃し、同じ東部のドネツク州にある3つの弾薬庫を破壊したと発表しました。

ロシアは、第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利した9日の「戦勝記念日」を前に、ウクライナへの軍事侵攻の戦果を上げようとしていると見られ、特に、ドネツク州にある東部の要衝マリウポリの完全掌握に向け攻撃を続けています。

ウクライナ側が拠点としているマリウポリのアゾフスターリ製鉄所には今も数百人の市民が取り残されていると見られ、ウクライナのベレシチュク副首相は6日、製鉄所からの市民の避難状況について「きょう、女性と子ども、それに高齢者合わせて50人を避難させ、あすの朝も避難活動を続ける。しかし、ロシア軍は停戦合意に常に違反していたため、避難に時間がかかった」とSNSに投稿し、ロシア軍が避難を妨害したと批判しました。

また、ゼレンスキー大統領は6日「マリウポリは決して降伏しない」と述べた一方、停滞しているロシアとの停戦交渉について「最低でも侵攻前の2月23日の状況に戻し、兵士を撤退させることだ。通常なら、そうした状況で初めて交渉を始められるが、ロシア側にしてみれば撤退するためには何かを言う必要があるのだろう」と述べ、双方にとって交渉の再開が必要だという考えを示しました。

こうした中、G7=主要7か国の議長国ドイツは6日、ロシアの「戦勝記念日」の前日にあたる8日にG7の首脳がオンラインの会合を開き、ウクライナ情勢などについて協議すると発表しました。

ゼレンスキー大統領も一部参加するということで、ウクライナへの連帯を改めて示すとともにロシアへのさらなる制裁などについて協議すると見られ、圧力を強める構えです。