コロナ新規感染者 全都道府県で減少 “連休後の推移に注意を”

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、大型連休中で検査の数が少なくなっていることもあり、すべての都道府県で前の週より少なくなりました。
専門家は「連休のあと、感染者数がどのように推移するか注意深く見ていかなければいけない」と指摘しています。

【全国】3週連続で減少

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国では、先月7日までの1週間では前の週に比べて1.04倍、先月14日は1.06倍と増加が続いていました。

しかし、先月21日は0.85倍、先月28日は0.94倍、今月5日まででは0.67倍と3週連続で減少し、1日当たりの平均の新規感染者数はおよそ2万6489人となっています。

大型連休中で検査の数が少なくなっていることもあり、感染者数は大型連休直前の先週まで増加していた北海道や九州の一部なども含め、47の都道府県すべてで前の週より少なくなっています。

沖縄 1倍を下回る

【沖縄県】
▽先月21日までの1週間は前の週の1.04倍と5週連続で増加
▽先月28日は1.00倍と横ばい
▽今月5日では0.94倍と前の週より減少
1日当たりの新規感染者数は1295人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は617.73人と、全国で最多に。

東京 3週連続で減少

【東京都】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.79倍
▽先月28日は0.86倍
▽今月5日まででは0.60倍と3週連続で減少
1日当たりの新規感染者数は3016人。

【神奈川県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.80倍
▽先月28日は0.86倍
▽今月5日まででは0.65倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ1772人。

【埼玉県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.73倍
▽先月28日は0.87倍
▽今月5日まででは0.59倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ1281人。

【千葉県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.72倍
▽先月28日は0.90倍
▽今月5日まででは0.57倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ960人。

大阪 前週比0.64倍

【大阪府】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.81倍
▽先月28日は0.91倍
▽今月5日まででは0.64倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ1859人。

【京都府】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.89倍
▽先月28日は1.05倍
▽今月5日まででは0.64倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ545人。

【兵庫県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.88倍
▽先月28日は0.87倍
▽今月5日まででは0.69倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ1024人。

愛知 前週比0.58倍

【愛知県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.81倍
▽先月28日は1.02倍
▽今月5日まででは0.58倍
1日当たりの新規感染者数は1285人。

【岐阜県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.89倍
▽先月28日は1.04倍
▽今月5日まででは0.56倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ320人。

【三重県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.85倍
▽先月28日は0.87倍
▽今月5日まででは0.59倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ265人。

そのほかの地域は

【北海道】
▽先月21日までの1週間は前の週の1.10倍
▽先月28日は1.08倍
▽今月5日まででは0.79倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ2107人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は282.32人と、沖縄県に次いで全国で2番目に多い。

【宮城県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.88倍
▽先月28日は1.06倍
▽今月5日まででは0.58倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ312人。

【広島県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.91倍
▽先月28日は0.94倍
▽今月5日まででは0.77倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ723人。

【福岡県】
▽先月21日までの1週間は前の週の0.87倍
▽先月28日は1.03倍
▽今月5日まででは0.72倍
1日当たりの新規感染者数はおよそ1632人。

このほか、先週には1.2倍以上に増加していた地域でも、
▽石川県で0.85倍
▽島根県で0.56倍
▽長崎県で0.63倍
▽大分県で0.71倍と前の週より少なくなっています。

専門家「検査数が減少、連休後の感染者数を注視」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は、すべての都道府県で新規感染者数が前の週より少なくなっていることについて「感染は順調に下がっているように見えるが、大型連休で検査の数が減少し、過小評価している可能性がある。連休のあと、来週以降、感染者数がどのように推移するか注意深く見ていかなければいけない」と指摘しました。

そのうえで「大型連休で観光地に行って地域で感染が広がることが起きてもおかしくないうえ、都市部に戻ってきたあと、新たな感染の火種になる可能性もある。来週以降も自分の体調の変化をしっかり観察して少しでもおかしいことがあれば、早め早めに医療機関を受診したり、検査を受けたりするなどの対応が必要になってくる」と話しています。

さらに、今後の対策の緩和については「大型連休で多くの人が動いて、旅行や帰省を楽しめる状況にまでなってきている。これだけ人の動きがある中でどうすれば感染者数を増えないようにできるか見極めたうえで、どのような対策の緩和をしていくか考えていくことが大事だ。今はまだ注意しながら段階的に少しずつ感染対策を緩和していく対応が必要だと思う」と話しています。

【新規感染者数 前週比(今月5日までの1週間)】

北海道 0.79倍
青森県 0.72倍
岩手県 0.64倍
宮城県 0.58倍
秋田県 0.78倍
山形県 0.61倍
福島県 0.63倍
茨城県 0.68倍
栃木県 0.52倍
群馬県 0.67倍
埼玉県 0.59倍
千葉県 0.57倍
東京都 0.60倍
神奈川県 0.65倍
新潟県 0.66倍
富山県 0.83倍
石川県 0.85倍
福井県 0.97倍
山梨県 0.71倍
長野県 0.60倍
岐阜県 0.56倍
静岡県 0.71倍
愛知県 0.58倍
三重県 0.59倍
滋賀県 0.72倍
京都府 0.64倍
大阪府 0.64倍
兵庫県 0.69倍
奈良県 0.80倍
和歌山県 0.74倍
鳥取県 0.57倍
島根県 0.56倍
岡山県 0.70倍
広島県 0.77倍
山口県 0.80倍
徳島県 0.64倍
香川県 0.64倍
愛媛県 0.63倍
高知県 0.90倍
福岡県 0.72倍
佐賀県 0.55倍
長崎県 0.63倍
熊本県 0.68倍
大分県 0.71倍
宮崎県 0.70倍
鹿児島県 0.68倍
沖縄県 0.94倍