欧米の大手石油会社 ロシア事業からの撤退で多額の損失計上

欧米の大手石油会社は、ことし3月までの3か月間の決算でロシアでの事業からの撤退に伴う費用として相次いで多額の損失を計上しました。

イギリスの石油大手シェルは5日、ことし3月までの3か月間の決算を発表し、ロシア事業からの撤退に伴い42億3500万ドル、日本円でおよそ5500億円の損失を計上したことを明らかにしました。

シェルは、ロシアからの原油や天然ガスなどの調達を段階的に終了させ、ロシア事業から完全に撤退する方針で、関連する資産の評価の見直しなどで損失が出ました。

また、アメリカの石油大手エクソンモービルも、先月29日に発表した同じ3か月間の決算で、ロシア極東のサハリン沖で進めてきた石油・天然ガス開発事業「サハリン1」からの撤退に関連して34億ドル、日本円でおよそ4400億円の損失を計上しました。

一方、両社とも原油高を背景に業績そのものは好調で、この期間の最終的な利益は、シェルが前の年の同じ時期と比べておよそ25%の増益だったほか、エクソンモービルもおよそ2倍に増えました。

欧米の石油大手の間では、イギリスのBPも同じ3か月間の決算でロシアからの撤退に伴う費用として日本円で3兆円余りの損失を計上していて、ロシア事業の見直しで多額の損失を計上する動きが相次いでいます。