ロシア軍 欧米からの武器など輸送の鉄道施設を攻撃 攻勢強める

ロシア軍は、欧米からの武器や弾薬をウクライナ軍に運ぶための各地の鉄道施設をミサイルで攻撃したと明らかにしました。
プーチン大統領が重視する9日の「戦勝記念日」を前に、ロシア軍は攻勢を強めていて、欧米側からの軍事支援を受けて抵抗するウクライナ側との間で攻防が激しくなっています。

ロシア国防省は4日、長距離ミサイルを発射し、西部リビウ州や東部ドニプロペトロウシク州など6つの鉄道駅近くの変電所を破壊したと発表しました。

これについてロシア国防省は、こうした鉄道を通じて欧米側から供与された武器や弾薬が東部ドンバス地域のウクライナ軍に運ばれていたと主張していて、欧米側からの軍事支援を強くけん制した形です。

また、東部ハルキウ州イジュームや東部ルハンシク州、南部ミコライウ州などでウクライナ軍の無人機を撃墜したとするなど、東部や南部での攻勢を強めています。

戦況を分析するイギリス国防省は4日、「ロシア軍は東部ハルキウ州のイジューム近郊に22の部隊を配備し、東部ドンバス地域の北側から前進しようとしている」として、東部でさらなる攻勢の準備を進めているという見方を示しました。

そしてイジュームの南にある、東部ドネツク州のクラマトルスクと東部ルハンシク州のセベロドネツクを掌握しようとしていると指摘し「ロシア軍がこれらの地域を掌握すれば、東部ドンバス地域の北東部の支配が強固なものになる」と分析しています。

欧米側はウクライナへの軍事支援をさらに強化する構えで、3日、イギリスのジョンソン首相はウクライナの議会で演説を行い、日本円でおよそ490億円相当の追加の軍事支援を表明しました。

これに対し、ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は3日、フランスのマクロン大統領との電話会談で「西側諸国がウクライナへの武器供与を停止することで、残虐行為を阻止できる」と主張し、ウクライナへの武器の供与をやめるよう求めたということです。

また、プーチン大統領は、同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領と電話で会談して結束を確認したということです。

ベラルーシ国防省は4日「軍事的な脅威に即時に対応するために、軍の部隊が大規模な抜き打ちの点検訓練を開始した」などとし、軍事演習を始めたことを明らかにしました。

今月9日に第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利した戦勝記念日が迫る中、ロシアは欧米側をけん制しながら攻撃を強めていて、これに対抗するウクライナ側との間で攻防が激しくなっています。