ロシアの軍事侵攻後 東京大空襲伝える民間資料館の来館者増加

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻のあと、東京大空襲の被害を伝える都内の資料館では来館者が増加しているということで、資料館の学芸員は「ウクライナで今、起きていることに一人一人が向き合い、考えるきっかけにしてほしい」と話しています。

東京 江東区にある民間の資料館「東京大空襲・戦災資料センター」によりますと、ことし3月の個人の来館者数は、去年の同じ時期の1.7倍で、新型コロナウイルス感染拡大前の3年前と比べてもおよそ1割、増加しているということです。

来館者のアンケートでは「ウクライナの状況をみて日本の過去の戦争のことを知りたいと思った」などの記述が多くみられるということで、資料館は、ロシアによるウクライナ侵攻が来館者数が増加したきっかけの1つとみています。

資料館を訪れた埼玉県の高校に通う3年生の男子生徒は「ウクライナで起きていることは日本でも数年後、数十年後に起こるかもしれないので、それを防ぐためにも、自分を含めた若い世代がもっと歴史を学ぶ必要があると改めて感じました」と話していました。

また中学3年生の女子生徒は「ウクライナで起きていることが昔の日本と重なりました。戦争は絶対にやってほしくないです」などと話していました。

東京大空襲・戦災資料センターの比江島大和 学芸員は「戦争や空襲の歴史を学んでもらうことで、ウクライナで今、起きていることや今後の世界について、一人一人が向き合い、考えるきっかけにしてほしい」と話しています。