日本国憲法施行75年 最高裁長官「社会の安定に力を尽くす」

日本国憲法が施行されて3日で75年です。最高裁判所の大谷直人長官は、憲法記念日にあわせて会見し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などを念頭に「大きな変動の時期にあっても『法の支配』を実現し、社会の安定に寄与する役割を果たすため力を尽くしたい」と述べました。

最高裁判所の大谷長官は、憲法記念日にあわせて記者会見を開きました。

この中で「これまでの国際秩序を揺るがすような事態が生じている」として、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などを念頭に「大きな変動の時期にあっても裁判所が果たすべき役割は国民の権利を救済し、適正迅速な法的紛争解決を通じて『法の支配』を実現し、社会の安定に寄与することだ。その役割を果たすために力を尽くしたい」と述べました。

ネットやSNSでのひぼう中傷が社会問題となる中、国会では現在、侮辱罪への懲役刑の導入などが審議されています。

一方で、憲法が保障する表現の自由の侵害にあたるという声もあることについて問われると「憲法上の価値についてどれを優先しなければならないか、シビアな問題が新たに出てくることは常に想定されているが、ネットの問題はまさに衝突が激しい論点だ。価値観の対立について裁判所としては、視野を広げて客観的に冷静にみていく姿勢が必要だ」と述べました。