タイとしては首脳会談をきっかけにEV=電気自動車関連の投資を促すなど日本との経済関係を一段と深めたい考えです。
タイには5800社以上の日本企業が進出し、トヨタ自動車やホンダが工場を持つなど東南アジア最大の自動車の生産拠点になっています。
タイ政府は、今後の経済成長に向けてEV=電気自動車の関連産業を誘致していて、首脳会談をきっかけに
▽日本企業からのEV関連の投資や、
▽脱炭素技術に関する投資などを促し、
日本との経済関係を一段と深めたい考えです。
一方、ウクライナ情勢を巡ってはタイは事態の悪化に懸念を示す一方で、ロシアに対する制裁には参加せず、中立的な立場をとっています。
タイは
▽以前から外交で中立的な立場を維持しているほか、
▽ことしは特にAPEC=アジア太平洋経済協力会議の議長国としてアメリカや日本、それにロシアなど各国間の調整をする立場であることも背景にあります。
タイ外務省の報道官は会見で「タイはすべての国と協議することができ、それが建設的な解決策につながると考えている」と述べていて、タイとしては、今回の首脳会談でウクライナ情勢への懸念を日本と共有したうえで、みずからの立場に理解を求めるとみられます。

岸田首相 きょうタイで首脳会談 ウクライナ情勢など意見交換へ
タイを訪れている岸田総理大臣は2日、プラユット首相と首脳会談を行い、ウクライナ情勢など世界が直面する課題をめぐって意見を交わすほか、海洋進出を強める中国を念頭に、日本からの防衛装備品の輸出や技術移転に関する協定の協議を行う見通しです。
東南アジアとヨーロッパを歴訪している岸田総理大臣は、日本時間の2日午後、タイの首都バンコクで、プラユット首相との首脳会談に臨みます。
会談では、タイがことしのAPEC=アジア太平洋経済協力会議の議長国を務めていることを踏まえ、ウクライナや北朝鮮、ミャンマーの情勢など、世界や地域が直面する課題をめぐって意見を交わし、両国が結束して取り組む姿勢を示したい考えです。
また、東シナ海や南シナ海への進出を強める中国を念頭に、日本からタイへの防衛装備品の輸出や技術移転に関する協定の協議を行う見通しです。
さらに、新型コロナ対策や両国間の経済連携の在り方をめぐっても意見を交わすほか、捜査当局が外交ルートを通さずに必要な情報や証拠を直接やり取りできる「刑事共助条約」の交渉開始でも合意したい考えです。