岸田首相 ベトナムと首脳会談へ 対ロ姿勢で一致できるか焦点

ベトナムを訪れている岸田総理大臣は1日、ファム・ミン・チン首相と首脳会談を行います。ウクライナ情勢をめぐり、ロシアに配慮する姿勢も見せているベトナム側と一致して厳しい姿勢を示すことができるかどうかが焦点の1つとなります。

岸田総理大臣は1日、ベトナムの首都ハノイの首相府で、ファム・ミン・チン首相と3度目となる首脳会談を行うことにしています。

会談で岸田総理大臣は、東シナ海や南シナ海への進出を活発化させる中国を念頭に、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携を確認したい考えです。

そのうえで、ベトナム軍の能力向上を支援するなど安全保障分野での協力に加え、日本企業の原材料の供給網=サプライチェーンの強化やDX=デジタルトランスフォーメーションでの協力の推進を確認することにしています。

一方、ウクライナ情勢をめぐって、ベトナムはロシア軍の即時撤退を求める国連総会の決議案の採決で棄権したほか、ロシアの国連人権理事会の理事国としての資格を停止するよう求める決議案に反対するなどロシアに配慮する姿勢も見せています。

このため、軍事侵攻を続けるロシアに対し、ベトナム側と一致して厳しい姿勢を示すことができるかどうかが焦点の1つとなります。

岸田首相 対ロシアで連携対応を呼びかけ

ベトナムを訪れている岸田総理大臣は30日夜、ファム・ミン・チン首相が開いた晩さん会に出席し、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対し、日本とベトナムで連携して対応していくよう呼びかけました。

この中で岸田総理大臣は「ロシアによるウクライナ侵略はヨーロッパのみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがしている」と指摘しました。

その上で、かつてのベトナム戦争などを念頭に「平和の尊さを身をもって感じているベトナムとの間で、地域と世界の平和と安定のために、ともに手を取り合っていけると確信している」と述べ、ロシアに対し、日本とベトナムで連携して対応していくよう呼びかけました。

ベトナム 両国関係の発展に期待もロシア対応では立場に違い

ベトナムは岸田総理大臣の訪問を発展を続ける両国関係を象徴するものと受け止め、首脳レベルの会談が頻繁に重ねられることで関係がさらに発展することを期待しています。

ベトナムにとって日本は、積極的な投資で高い経済成長を支えてくれる重要なパートナーとなっています。

また、安全保障面では南シナ海で領有権争いのある中国を念頭に、連携を図る相手国として捉えています。

ただ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐっては、日本とは立場の違いが浮き彫りになっています。

ベトナムはロシアに対して支持も非難もしない立場をとっていて、国連ではロシア軍の即時撤退を求める決議案などの採決で棄権したほか、ロシアの人権理事会の理事国としての資格を停止するよう求める決議案では反対しました。

この背景については、軍事面でロシアに依存していることが影響しているという見方や、立場を明らかにして大国間の争いに巻き込まれるほうがリスクが高くなると判断しているといった指摘が出ています。

ベトナムは国際社会と連携してウクライナへの人道支援を行う考えは表明していますが、政府筋や外交筋はロシアに対する姿勢については日本とは一線を画し、立場を明らかにしない方針を貫くだろうとみています。