中国 5連休も感染拡大で移動大幅減と予測 観光業など痛手

中国では30日から5連休が始まりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で期間中に移動する人は去年から大幅に減少すると予測されていて、景気減速が続くなかで観光業や飲食業などにさらなる痛手となりそうです。

中国では上海で29日、新たな感染者が1万181人確認され、47人が死亡するなど、新型コロナの感染拡大に歯止めがかかっておらず、各地で厳しい対策がとられています。

こうした中で全国で30日からメーデーに合わせて5連休が始まりました。

各地の当局は連休を今いる場所で過ごすよう呼びかけていて、中国政府は期間中に国内で交通機関を利用して移動する人は去年と比べるとおよそ6割減少すると予測しています。

感染が増え始めている北京では連休初日にもかかわらず、主要都市とを結ぶ駅の周辺を歩く人の姿はまばらでした。

市内の公園を訪れていた女性は「感染拡大がなければ北京市外に出かけましたが、政府の呼びかけになるべく協力します」と話していました。

また、北京では連休中に観光施設など公共の場所を利用する際に、PCR検査の48時間以内の陰性証明を提示することが義務づけられ、例年は多くの観光客が訪れる世界遺産の故宮も混雑は見られませんでした。

近くの土産物店の従業員は「人通りはほとんどなくなっています。去年は比較的売り上げもよかったですが、ことしは悲惨です」と話していて、景気減速が続くなかで観光業や飲食業などにさらなる痛手となりそうです。

北京 陰性証明をあらゆる機会に求める対策も

感染者が増え始めている北京市では当局が市民に対し、来月4日までのメーデーにあわせた連休が終わったあともPCR検査の陰性証明をあらゆる機会に求める新たな対策を示しました。

具体的には、
▼連休明けに出勤したり登校したりする際に48時間以内の陰性証明を提示することや、
▼来月5日以降は商業施設やレストラン、オフィスビルなど公共の場所を訪れる時や、公共交通機関を利用する際に7日以内の陰性証明を提示することを義務づけるとしています。

一方で、来月3日からは市民の検査費用を無料にするとしています。

当局としては、日常的にPCR検査を受けるよう義務づけることで感染者の早期発見につなげるねらいで、首都・北京で上海のように感染が広がらないよう、神経をとがらせているとみられます。