福島第一原発の処理水 “問題はない” IAEAが調査結果を公表

福島第一原子力発電所にたまり続ける処理水を海に流す東京電力の計画についてIAEA=国際原子力機関は、ことし2月に実施した現地調査の結果を公表し、国際的な安全確保の基準に照らし問題はないとする見解を示しました。

福島第一原発にたまり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、政府は基準を下回る濃度に薄めたうえで海へ流す方針で、東京電力がこれに従って1キロほど沖合から放出する計画を進めています。

IAEAは、この計画を評価する目的で、ことし2月に実施した中国や韓国、アメリカなどの専門家で作る調査団による現地調査の結果を公表しました。

この中で東京電力の計画について「設備の設計や運用の手順は的確な措置だ」などとして、国際的な安全確保の基準に照らし問題はないとする見解を示しました。

一方で、処理水の取り扱いについて「どのような性質や状態にあるか、明確に定義すれば利害関係者から理解が得られやすい」などと指摘しました。

IAEAは現地で採取した処理水の分析や原子力規制委員会による計画の審査についても検証し、政府が方針を示している来年春ごろからの放出開始までにこれらの検証結果も含めて報告するとしています。

ただ、処理水の海洋放出は地元を中心に風評被害を懸念する声が根強く、政府と東京電力が漁業者や全国の消費者など関係者の理解をどう得ていくかが引き続き課題です。