中国と北朝鮮結ぶ貨物列車 新型コロナの感染拡大で再び停止に

中国外務省は、ことし1月に再開していた、北朝鮮との間を結ぶ貨物列車の運行について、中国側での新型コロナウイルスの感染拡大の影響で一時停止することを決めたと明らかにし、北朝鮮経済にとって痛手となりそうです。

中国外務省の趙立堅報道官は、29日の記者会見で、中国東北部の丹東と北朝鮮北西部のシニジュ(新義州)を結ぶ貨物列車の運行について、丹東での新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて、中朝両国が話し合った結果、一時停止することを決めたと明らかにしました。

丹東では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今月25日から外出を厳しく制限する措置が取られていて、中朝関係筋は、NHKの取材に対し「ウイルスの流入を懸念する北朝鮮側の要請に基づいて、きょうから運行を停止した。再開の時期は決まっていない」としています。

中朝間の貨物列車は、北朝鮮がおととし、感染対策として国境を封鎖したのに伴って運行が停止されました。

その後は、船による輸送に限られていましたが、ことし1月に貨物列車の運行が再開され、先月の貿易総額は、新型コロナウイルスの影響がなかった2019年の同じ時期のおよそ3割と、徐々に回復する傾向にありました。

それだけに、長引く経済制裁による打撃を受けている北朝鮮にとっては、中国からの物資の調達が再び難しくなることで経済的に痛手となりそうです。