新型コロナ感染者数 人口多い地域中心に減少も21道府県で増加

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都や大阪府など人口の多い地域を中心に全国では減少が続いている一方、北海道や九州などの21道府県で増加していて、感染状況に差が出ています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国では
▽先月31日までの1週間では、前の週に比べて1.17倍、
▽今月7日は1.04倍、
▽今月14日は1.06倍と3週連続で前の週より増えていましたが、
▽今月21日は0.85倍、
▽28日まででは0.94倍と2週連続で緩やかな減少となっていて、一日当たりの平均の新規感染者数はおよそ3万9776人となっています。

感染者数は東京都や大阪府など人口の多い地域を含む26都府県で横ばいから減少になっている一方、九州や東北の一部、北海道、北陸など21道府県で増加しています。

沖縄県 人口10万当たりの感染者数が全国最多

沖縄県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.17倍、
▽今月21日は1.04倍と5週連続で増加していましたが、
▽28日まででは1.00倍と横ばいになっています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ1372人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は654.39人と、全国で最も多くなっています。

関東1都3県の状況

東京都は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.01倍でしたが、
▽今月21日は0.79倍、
▽28日まででは0.86倍と2週連続で減少していて、一日当たりの新規感染者数はおよそ5051人となっています。

神奈川県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.03倍、
▽今月21日は0.80倍、
▽28日まででは0.86倍で、一日当たりの新規感染者数はおよそ2726人となっています。

埼玉県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.01倍、
▽今月21日は0.73倍、
▽28日まででは0.87倍で、一日当たりの新規感染者数はおよそ2157人となっています。

千葉県は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.96倍、
▽今月21日は0.72倍、
▽28日まででは0.90倍で、一日当たりの新規感染者数はおよそ1678人となっています。

大阪府・京都府・兵庫県では

大阪府は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.05倍、
▽今月21日は0.81倍、
▽28日まででは0.91倍で、一日当たりの新規感染者数はおよそ2908人となっています。

京都府は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.00倍、
▽今月21日は0.89倍、
▽28日まででは1.05倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ859人となっています。

兵庫県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.06倍、
▽今月21日は0.88倍、
▽28日まででは0.87倍で、一日当たりの新規感染者数は1479人となっています。

東海3県の状況

愛知県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.07倍、
▽今月21日は0.81倍、
▽28日まででは1.02倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ2220人となっています。

岐阜県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.10倍、
▽今月21日は0.89倍、
▽28日まででは1.04倍となっていて、一日当たりの新規感染者数は569人となっています。

三重県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.04倍、
▽今月21日は0.85倍、
▽28日まででは0.87倍で、一日当たりの新規感染者数はおよそ447人となっています。

感染者が増加傾向の地域など

北海道は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.13倍、
▽今月21日は1.10倍、
▽28日まででは1.08倍となっています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ2654人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は355.62人と、全国で3番目に多くなっています。

広島県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.12倍、
▽今月21日は0.91倍、
▽28日まででは0.94倍で、一日当たりの新規感染者数はおよそ939人となっています。

福岡県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.11倍、
▽今月21日は0.87倍、
▽28日まででは1.03倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ2259人となっています。

佐賀県は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.28倍、
▽今月21日は1.09倍、
▽28日まででは0.89倍となっています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ431人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は372.18人と、沖縄県に次いで全国で2番目に多くなっています。

このほか、▽石川県は28日までの1週間は前の週の1.22倍、▽島根県は1.21倍、▽長崎県は1.23倍、▽大分県は1.21倍などと増加の幅が比較的大きくなっています。

東京医大 濱田特任教授「感染者数が再び増える可能性高い」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、現在の感染状況について「ここ1、2週間、全国的には減少はしているが、増加に転じているところが少し多くなっている。大型連休になると、人と人との接触が増え、旅行などで移動の機会も多くなるため、感染者数が再び増えていく可能性は高いと考えられる」と話しています。

新型コロナの感染が始まってから初めて、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されていない状態で大型連休を迎えたことについて、濱田特任教授は「久しぶりの会食や旅行をしてもかまわないが、感染の第6波の中で大型連休を迎えていることを忘れずに、予防対策をとりながら楽しんでほしい。感染状況には地域差があるので自分が連休中に行動する地域の感染状況を確認することや検査で自分が感染していないことを確かめたうえで行動することが大事だ。そして、マスクや手洗い、密を避けるなどの対策は日頃よりもある程度強めにやっていただきたい。旅行から帰ってきて体調が悪い場合は早めに医療機関などで検査を受け、診察を受けてほしい」と話しています。