インドネシア パーム油の輸出を一時禁止 国際価格上昇に懸念

世界最大のパーム油の生産国、インドネシアは、28日からパーム油の輸出を一時的に禁止します。ウクライナ情勢を背景に価格が高騰する中、国内への供給を優先させるためで、国際価格のさらなる上昇が懸念されます。

インドネシア政府はパーム油の国内供給を安定させ、価格を抑えようと、パーム油の輸出を28日から一時的に禁止します。

インドネシアは世界のパーム油生産の6割近くを占める最大の生産国ですが、このところ食用油の小売価格が種類によっては1年前に比べて7割上がっていて、抗議デモも起きています。

値上がりの背景にはウクライナやロシアで主に生産されているひまわり油の供給が滞るという懸念から、代替品としてパーム油の需要が高まっていることがあります。

インドネシア政府は現在、1リットル当たりおよそ1万7000ルピアの食用油の平均価格が1万4000ルピアに下がるまで禁輸を続けるとしています。

パーム油は食品や化粧品などさまざまな原材料に使われているため、インドネシアの禁輸が長引けば、幅広いものの価格上昇につながるおそれがあります。

JETRO=日本貿易振興機構ジャカルタ事務所の上野渉広域調査員は「日本が去年輸入したパーム油63万トンのうち22万トンがインドネシア産だ。大豆油などパーム油以外の食用油も高騰する可能性がある」と話しています。