JR東日本 グループ全体で949億円の赤字 最終赤字は2年連続

JR東日本の昨年度1年間のグループ全体の決算は、新型コロナの影響に加え、先月の地震で脱線した東北新幹線の復旧費用がかさみ、最終的な損益が900億円余りの赤字となりました。最終赤字は2年連続です。

JR東日本が27日発表した昨年度1年間のグループ全体の決算は、売り上げは1兆9789億円と前の年度より12.1%増えたものの、最終的な損益は949億円の赤字となりました。

通期の決算が最終赤字となるのは2年連続です。

鉄道の利用は前の年度よりは増えたものの感染拡大前と比べると低い水準が続いているほか、東北地方で先月、震度6強の揺れを観測した地震の影響で東北新幹線が脱線し、復旧費用が膨らんだことなどが赤字の主な要因です。

一方、今年度の業績の見通しは、感染拡大が一定程度おさまり、運輸収入が年度の後半には感染拡大前の9割程度にまで回復すると見込み、最終的な利益は600億円の黒字を確保すると予想しています。

JR東日本の伊藤敦子常務取締役は、会見で「今年度の後半には『ウィズコロナ』から『ポストコロナ』に移行していくと考えている。新しい働き方が定着し、定期収入は落ち込むことが予想されるので、ワーケーションなどの需要を取り込んでいきたい」と述べました。