昨年度のトヨタ国内生産台数 1976年度以来の低水準に

トヨタ自動車の昨年度1年間の国内の生産台数は276万台余りとなり、前の年度と比べて5.4%減少しました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた部品不足や世界的な半導体不足などが影響した形で、1976年度以来の低い水準です。

トヨタ自動車の発表によりますと昨年度1年間の国内での生産台数は276万843台となり、前の年度と比べて5.4%減少しました。

国内の生産台数としては1976年度以来の低い水準だということです。

要因については新型コロナウイルスの感染拡大を受けた部品不足や世界的な半導体不足、それに東北地方で発生した地震や取り引き先の部品メーカーのシステム障害による工場停止などが影響したとしています。

会社では、雇用や技術力の確保に欠かせない水準としている「国内300万台の生産」は下回ったものの、生産体制や人員は維持しているとしています。

一方、海外を含めた全体の生産台数は、北米やアジアでの強い需要に応じて生産を伸ばしたことから、4.7%増えて856万台余りとなり、3年ぶりに前の年度を上回りました。

先行きについてトヨタ自動車は、5月の国内外での生産台数が当初の計画から10万台程度減少する見込みだとしていて「新型コロナの感染状況や部品調達の動向は依然として不透明だが、影響を最小限に抑えるべく努力していく」とコメントしています。

各社の国内外生産は

昨年度の主な自動車メーカー8社の国内外の生産は、半数に当たる4社が前の年度を下回りました。

半導体不足や東南アジアの感染拡大による部品不足が響いた形です。

各社の発表によりますと、昨年度1年間の国内外の生産台数は、
▽マツダが12.6%、
▽日産自動車が10.7%、
▽SUBARUが10.2%、
▽ホンダが8.6%、前の年度よりもそれぞれ減少しました。

各社とも、世界的な半導体不足や取引先が多い東南アジアで感染が広がり、部品の調達が滞ったことが響きました。

一方、
▽トヨタ自動車は、国内は部品不足などが影響して1976年度以来の低い水準となったものの、北米やアジアでは伸ばし、全体では前の年度より4.7%増加したほか、
前の年度に大きく落ち込んだ反動で
▽三菱自動車工業が25.9%、
▽ダイハツ工業が8.7%、
▽スズキが6.4%、それぞれ増加しました。

自動車メーカーでは、今月に入ってからも感染拡大で物流が混乱している中国 上海から部品の調達が滞り、一部の工場で一時操業を取りやめるなど、先行きの不透明な状況が続いています。