柏崎刈羽原発 テロ対策不備 “当時の取り組みに問題”中間報告

新潟県の東京電力柏崎刈羽原子力発電所で去年、相次いで明らかになったテロ対策上の重大な不備について原子力規制委員会は、核物質防護の設備の保守管理が不十分で、管理する立場の人間が現場に立ち会う機会が少なかったことなど当時の取り組みに問題があったとする中間報告をまとめました。

原子力規制委員会は27日、柏崎刈羽原発で相次いだテロ対策上の重大な不備に対する東京電力の再発防止策について、検査にあたる原子力規制庁から中間報告を受けました。

この中で、柏崎刈羽原発で相次いだ不備は、ほかの原発に比べて核物質防護設備の保守管理が不十分で、管理する立場の人間がトラブル対応を議論する場に参加しておらず現場への立ち会いも少なかったことなど、当時の取り組みに問題があったとしました。

一方、東京電力が福島第一原発事故後に取り組んできたコスト削減が、テロ対策の不備につながるような議論の形跡はなかったとして全社的な問題とまでは言えないとしました。

この中間報告を受けて、更田豊志委員長は「原発事故の当事者の東京電力が、どこよりも緊張感や危機感が強くて自然なのに、柏崎刈羽原発の核物質防護に関心を振り向けて管理していたか分からない。文化や姿勢が劣化していても設備によって防護力が担保されるのか、東京電力に方針を示してもらいたい」と述べました。

規制委員会はこの中間報告を了承したうえで、東京電力に対して、去年4月に出した核燃料の移動を禁止する是正措置命令の解除には、柏崎刈羽原発特有の雪など過酷な自然環境下でも侵入を防げる設備の具体化や、トラブルに対応する体制の抜本的な見直しなど8項目が必要だとして、今後の検査で重点的に確認していくことを決めました。

更田委員長「東京電力は決意持って整備を」

東京電力の再発防止策について原子力規制庁がまとめた中間報告を受けて、原子力規制委員会の更田豊志委員長は「テロ対策の不備は、同じ東京電力の福島第一・第二原発では問題なかった。柏崎刈羽原発で起きた固有の理由があったと思う」と述べました。

一方、東京電力が原発事故後に実施しているコスト削減の取り組みが、今回の相次ぐ不備に影響したかについては「コストダウンのプレッシャーはあったという認識だ。ただし、強い関係があったかまで明確ではない」と、みずからの見解を示しました。

また、更田委員長は東京電力の経営層に対して「責任ある層は、原子力の安全と同様の関心を核物質防護にも振り向けるべきだが、実態が伴っていなかった。東京電力は決意を持って十分な投資をして整備してほしい」と述べ、適切な対応を求めました。

稲垣所長「真摯に受け止め 今後の対応に生かす」

東京電力柏崎刈羽原子力発電所でテロ対策の重大な不備が相次いだ問題について原子力規制委員会が検査の中間報告をまとめたことを受けて、稲垣武之所長は「内容を真摯(しんし)に受け止めて今後の追加検査の対応に生かしていきたい」と述べました。

また、今回の不備について規制委員会から、東京電力本社ではなく、柏崎刈羽原発に固有の理由があったと指摘されたことについては「今後も所員との対話を続けることでほかの発電所に比べて防護部門の風通しが悪くなってしまった原因を調べ改善していきたい」と述べました。

そのうえで、テロ対策設備の強化を求められたことについては「現在進めている改善措置計画にも設備の更新は盛り込まれているので、検査の中で原子力規制庁に計画をしっかりと説明しながら対応していきたい」と述べました。