ウクライナ軍事支援会合始まる 米国防長官が支援強化呼びかけ

NATO=北大西洋条約機構の加盟国など40か国以上が参加して、ウクライナへの軍事支援などを協議する会合がドイツで始まり、会合を主導したアメリカのオースティン国防長官が、各国に軍事支援の強化を呼びかけました。

ウクライナの戦況や軍事支援の在り方などについて協議するため、アメリカの主導で開かれた今回の会合には、ウクライナのレズニコフ国防相やNATOの加盟国などがオンラインも含めて参加しています。

会場となったドイツ西部のラインラント・プファルツ州にあるアメリカ軍の基地では26日、厳重な警備が敷かれる中、各国の高官を乗せた車両が続々と到着していました。

会合は、日本時間の午後5時すぎから始まり、アメリカのオースティン国防長官は、冒頭、40か国以上が会合に参加しているとしたうえで「われわれはロシアの不当な侵略をウクライナが打ち負かせるように支援するためここに集まった。ウクライナは勝利のために助けを必要としている」と述べ、各国に軍事支援の強化を呼びかけました。

アメリカのバイデン政権は、この会合に先立ってオースティン国防長官とブリンケン国務長官をウクライナの首都キーウへ派遣し、軍事支援を強化するためウクライナとヨーロッパ東部などの15の国に対して7億1300万ドル以上、日本円にして900億円以上の支援を行うことをゼレンスキー大統領に伝えています。

アメリカとしては、会合を通じて、各国が連携してウクライナへの軍事支援の強化を確認することで、軍事侵攻を続けるロシアをけん制するねらいがあるとみられます。

ドイツ国防相「ウクライナへ自走式対空砲提供」

ドイツのランブレヒト国防相は、26日、関係国によるウクライナへの軍事支援などが話し合われている西部ラインラント・プファルツ州のアメリカ軍基地で記者団の取材に応じ、新たに自走式の対空砲をウクライナへ提供することを明らかにしました。

提供の規模については言及しませんでしたが、ランブレヒト国防相は「ウクライナが地上から空を守るため、まさに今必要としているものだ。今回の会合を通じ、ウクライナへの支援を続けるためのあらゆる方策を探りたい」と述べ、軍事支援を続ける姿勢を強調しました。

また、ランブレヒト国防相は、会合で、旧ソビエト製の兵器をウクライナに供与した国に対し、その代替となる兵器をドイツが提供することや、ウクライナの兵士への訓練をアメリカと連携してドイツ国内で行っていることを説明したということです。