上皇ご夫妻 赤坂御用地へ 新たなお住まい「仙洞御所」とは?

4月26日、上皇ご夫妻は赤坂御用地にある新たなお住まい「仙洞御所(せんとうごしょ)」に移られました。皇位継承から3年を経て、天皇ご一家と上皇ご夫妻のお住まいの入れ代わりが完了しました。

新たなお住まいは上皇ご夫妻が結婚後30年余りを過ごした建物で、お二人は思い出深い場所で、新たな生活を始められます。

新たなお住まい「仙洞御所」とは

上皇ご夫妻の新たなお住まいは、東京 港区の赤坂御用地にあり、地上2階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、総面積は6100平方メートル余りに上ります。来客の対応などに使われる公室部分は、壁のクロスやカーテンが取り替えられたほか、トイレの改修などが行われました。
そして、ご夫妻の私室部分は、エレベーターや階段のスロープ設置といったバリアフリー化の改修工事が行われました。

総工費はおよそ6億4000万円です。

新たなお住まいの名称は、譲位した天皇の住まいの呼び名に使われた「仙洞御所」となりました。

かつてのお住まいでの暮らしは

この新たなお住まい、実は、お二人が結婚した翌年の昭和35年(1960年)、誕生されてまもない今の天皇陛下とともに、生活を始められた建物です。

上皇ご夫妻が、平成5年(1993年)に皇居の御所に移るまで30年余りを過ごされました。

ご夫妻は、親子が離れて暮らす天皇家の慣習を見直し、自分たちの手で長男の天皇陛下と次男の秋篠宮さま、そして、長女の黒田清子さんを育てられました。

上皇ご夫妻が、皇居の御所に移られたあと、平成6年からは天皇ご一家が暮らされていました。

仮住まいでの交流

上皇ご夫妻は、皇位継承に伴う天皇ご一家とのお住まいの入れ代わりのため、おととし3月から、26年余り暮らした皇居を離れて、かつての高松宮邸である、東京・港区の仮住まい先に移られていました。
新型コロナウイルスの感染拡大で外出がままならない状況が続きましたが、そうした中でも地域の人たちとの温かい交流が生まれていました。

日課とする散策中には、近くのマンションのベランダにいる住民から声をかけられ、応じられることもありました。
住民の男性は「朝、『おはようございます』とあいさつすると、上皇さまは会釈され、上皇后さまは『おはようございます』と返してくださいました。お二人の結婚記念日に『おめでとうございます』と声をかけると、上皇后さまが『ありがとうございます』と返事をしてくださいました。お二人はいつも近くに寄り添って元気そうに歩かれていました」と話していました。

園児から贈り物も

また、近所の保育園の園児からは、ご夫妻の誕生日やクリスマスなどに手作りのカードや花束が届けられました。おととし11月に仮住まいの敷地に落ちていたどんぐりを、園児たちが受け取ったことがきっかけになったということです。

園児たちは、4月12日、上皇ご夫妻が仮住まい先を離れられる際、見送りに訪れていました。
上皇ご夫妻は、この日、園児たちと初めて会えるのを楽しみにしていて、出発の際、「園児たちが分かるように車をゆっくりと進めてください」と話されたということです。

車の中で、上皇さまは、身を乗り出しながら手を振られ、上皇后さまは、笑顔で会釈されていました。

思い出の赤坂御用地で新たな生活

4月26日、上皇ご夫妻は、仙洞御所に到着され、皇位継承から3年を経て、天皇ご一家と上皇ご夫妻のお住まいの入れ代わりは完了しました。

側近によりますと、新型コロナウイルスの収束が見通せない中、ご夫妻の今後の予定について決まったものはないということです。

ただ、感染防止ができる条件が整えば、お二人が外出される機会を作っていきたいと考えているとしています。