マリウポリ市民「生きている実感ない プーチン止めなければ」

ロシア軍が激しい攻撃を行ってきたウクライナ東部のマリウポリに自宅があり、今月に入って国外に避難した女性がNHKの取材に応じました。軍事侵攻後のマリウポリの生活を「生きている実感のない生活だった」と振り返り、世界が団結してロシアを止めるべきだと訴えました。

インナ・チェペロワさん(44)は、ロシア軍による軍事侵攻が始まったことし2月以降も、自宅マンションのあるマリウポリで暮らしていましたが、攻撃が続く中で、今月8日に78歳の母親とともに町から逃れ、今はブルガリアに避難しています。

チェペロワさんは25日、NHKの取材にオンラインで応じ「先月上旬には通信や電気、水道などが途絶えました。自宅の窓ガラスも爆撃で割れ、さらに寒くなりました。雪をバケツに集めて溶かし、生活に使っていました」と戦禍のマリウポリでの生活を振り返りました。

同じマンションに住んでいた1人は攻撃に巻き込まれて命を落としたということです。

そして「家の隣のマンションが爆撃で大きく壊され、近いうちに自分の家も同じことになるのではないかと感じました。どんな方法であろうととにかくマリウポリを出なければいけないと思いました。爆撃のない場所に行くことが一番重要でした」と避難を決めた心境を語りました。

一方で、チェペロワさんが避難した際、近隣の住民はとどまっていたということで「軍事侵攻後、マリウポリにいた40日余りは生きている実感のない生活でした。今も残っている人はとてもかわいそうです。一番期待しているのは人道支援です」と訴えました。

また、今月21日、ロシアのプーチン大統領がマリウポリを掌握したと宣言したことについては「怒りがなかなか収まりません。どうして私の町が破壊されたのか本当に理解できません。私の望みは、マリウポリに再びウクライナの国旗が掲げられることです」と時折、涙を見せながら憤りをあらわにしました。

そのうえで「プーチンは今やっていることに罪悪感がなく、100%自分が正しいと考えていると思います。世界は団結してプーチンを止めなければなりません」と話していました。