“郵便受け勝手に解錠” 日本郵便 不適切な配達少なくとも11件

郵便局の配達員が施錠された郵便受けを勝手に開けて荷物を届けていた問題で、日本郵便が先月寄せられた相談をもとに、全国の実態を初めて調べたところ、こうした不適切な配達が少なくとも11件行われていたことが分かりました。日本郵便は改めて再発防止策を徹底するとしています。

郵便局の配達員が施錠された郵便受けを勝手に開け、差し入れ口から入らない大きさの荷物を届けるケースがあったことが、ことし1月、NHKの情報提供窓口、「ニュースポスト」への投稿をきっかけに明らかになりました。

日本郵便は不適切な行為だとして全国の郵便局にこうした配達をしないよう注意喚起しましたが、「ニュースポスト」にはその後も、同様の経験をしたという情報が相次いで寄せられていました。

こうした状況を受け、日本郵便が先月1か月間に本社のコールセンターに寄せられた相談をもとに、全国の実態を初めて調べたところ、こうした不適切な配達が11件行われていたことが分かったということです。

このうち10件の郵便受けはダイヤルを回して数字を合わせるタイプで、残りの1件は、番号を押してカギを開けるタイプのものだということです。

一方、この11件には各地の郵便局に直接、相談が寄せられたケースは含まれておらず、日本郵便は「現時点では調査の対象にはしない」としています。

日本郵便では、注意喚起を行って以降も不適切な配達があとを絶たないことから、全国に13万人いるすべての配達員に対し、不在の場合は連絡票を入れるといったルールを正しく認識しているか、新たにチェックシートを作って確認するなど、改めて再発防止策を徹底するとしています。

日本郵便は「お客さまに大変不愉快な思いをさせてしまったことをおわびします。改めて、社員個別に投かん方法を正しく理解しているかを確認し、理解が不足している社員には個別指導を行うなど、適正な取い扱いに努めます」としています。

50代郵便局員「本社などには報告しないケースも多い」

30年以上、配達に携わっているという50代の郵便局員の男性が一連の報道を受けてNHKに連絡を寄せ、匿名を条件に取材に応じました。

男性によりますと、この問題が明らかになって以降、勤務先の郵便局では「郵便受けの鍵には触らないように」といった配達員への注意喚起が、毎週のように行われているということです。

一方、現場で不適切な配達があっても、利用者に謝罪して理解が得られれば本社などには報告しないケースも多いということで、男性は「近隣のエリアでは、報道があって以降も不適切な配達が10件ほどあったと聞いている。本社が把握していないこうした配達は多いと思う」と話しています。

また、男性は、こうした配達をなくすための方策として、▽時間外でも郵便局で荷物を受け取ることができるロッカーを増やすとか、▽いわゆる「置き配」を利用するためのかばんなどを低価格で販売し、普及を図るといったアイデアを話しました。

男性は「勝手に鍵を開けて郵便物を届けることは絶対にやってはいけないが、『届けてくれて助かる』という利用者がいるのも現実で、難しい問題です。現場は人手も時間的にも余裕がなく、配達員も決して悪意をもってやっているわけではないと思う。ただ『ダメだ』というだけではなく、現場の声、利用者の声をよく聴いてもらえれば、よりよい方法が見つかるのではないかと思います」と話していました。