上海 拡散したSNS動画削除 外出制限に批判高まり情報統制強化

新型コロナウイルスの感染拡大で、厳しい外出制限を強いられる中国 上海の市民が窮状を訴えた声を集めたとする動画が、中国のSNSで急速に拡散しましたが、相次いで削除されました。外出制限が長期化する中、当局は市民の批判の高まりに神経をとがらせていて、情報統制を強化しています。

「四月之声」と題されたこの動画は、厳しい外出制限を強いられる上海で、窮状を訴える市民の声などを集めたとするもので、中国のSNSに投稿されました。

およそ6分間の動画は、上海市当局が先月、市内全域を対象に厳しい外出制限を行う見方を否定した記者会見のやり取りから始まり、今月に入って、市民が食料などの生活物資が不足していると訴える声や、病院で治療を受けられないと訴える声などが、時系列に沿ってまとめられています。

この動画は投稿されたあと、共感した人たちによって22日以降急速に拡散されましたが、転載されるたびに相次いで削除される事態となり、現在は閲覧できなくなっています。

上海で外出制限が長期化し市民の不満が高まる中、批判の高まりに当局は神経をとがらせていて、情報統制を強化しています。

一方、当局は、新型コロナウイルスによる死者が23日、これまでで最も多い39人確認されたと発表しました。

また、1日の感染者は2万1058人確認されたとしていて、依然として感染の拡大に歯止めがかかっていません。