ロシアによるウクライナ軍事侵攻 2か月 長期化の懸念も

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から24日で2か月となり、プーチン大統領は旧ソビエトが第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した来月の「戦勝記念日」に向け、ウクライナの東部や南部でロシア軍による攻勢を強めています。

これに対し、ウクライナ側は欧米からの軍事支援も受けて徹底抗戦する構えで、戦闘が長期化する懸念も出ています。

ロシアがウクライナに軍事侵攻してから24日で2か月となります。

ロシア軍は首都キーウの早期掌握を断念したあと東部での作戦を強化していて、21日には要衝のマリウポリを掌握したと宣言しました。

ロシア軍は作戦が「第2段階」に入ったとして、大規模な戦闘に向けた部隊の移動を進めていて、ロシア国防省は23日、東部各地をミサイルなどで攻撃したと発表しました。

また、ロシア国防省は南部の港湾都市オデーサ近郊の軍用飛行場をミサイルで攻撃し、欧米側から供与された兵器を破壊したとしています。

この攻撃について、オデーサのトゥルハノフ市長は生後3か月の女の子を含む8人の死亡が確認されたとSNS上で明らかにしました。

このほか、南部ヘルソン州や南東部ザポリージャ州では、ロシアが併合に向けた「住民投票」を準備しているとウクライナ側が指摘しています。

プーチン大統領は旧ソビエトが第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した来月9日の「戦勝記念日」に向け、今回の軍事侵攻の成果をロシア国民に印象づけたい思惑があるとされ、東部2州を完全掌握し、ロシアが一方的に併合した南部クリミアにかけての地域を支配下に置くことをねらっているとみられます。

これに対し、ウクライナ側は欧米からの軍事支援も受けてマリウポリを含む東部や南部で徹底抗戦する構えで、ゼレンスキー大統領は22日「私たちの声を聞き入れ、求めたものを提供してくれたすべてのパートナーに感謝する」と述べ、欧米との結束を強調しました。

侵攻が始まってからアメリカ政府による軍事支援は合わせておよそ34億ドル、日本円でおよそ4300億円に上っているほか、26日にはドイツで今後の軍事支援などについて関係国と協議する予定で、アメリカ国防総省のカービー報道官は「ロシアの攻勢に直面するウクライナ軍を支援するためあらゆる手段をとり続ける」としています。

一方、ロシアとウクライナの停戦交渉はウクライナの「中立化」などをめぐって合意文書の草案のやり取りが続いているとみられますが、話し合いは大きく停滞しています。

こうした中、国連のグテーレス事務総長が26日にロシアでプーチン大統領と、28日にはウクライナでゼレンスキー大統領とそれぞれ会談する予定で、現状の打開につながるのか注目されています。

ただ、プーチン大統領は軍事侵攻をやめる兆しを見せておらず、戦闘が長期化する懸念も出ています。