コロナ 国“連休前に検査を” 無料検査所はことし1月の1.7倍に

新型コロナウイルスのPCR検査や抗原検査を無料で受けられる検査所が急速に増えていて、その数は全国で第6波の感染が拡大していたことし1月の1.7倍にあたる、およそ1万か所に上っています。
一方で検査数は減っているため、国は大型連休で旅行や行楽などに出かける前には積極的に検査を受けるよう呼びかけています。

国はワクチンなどとともにPCR検査や抗原検査を感染対策の柱と位置づけ、去年12月以降、都道府県を通じ、無症状でも感染に不安を感じる人や旅行を控えている人などが無料で検査を受けられる検査所の設置を進めています。

オミクロン株の感染が拡大したことし1月には検査キットの入手が難しくなり、検査が一時滞ったこともありましたが、その後、検査所が急増し、内閣官房によりますと、今月14日時点で全国でおよそ1万か所と、ことし1月末と比べ1.7倍に増えています。

特に都市部で増えていて、東京都では2.7倍のおよそ800か所、神奈川県では1.7倍の644か所まで拡大しています。

一方で、無料検査の全国の検査数は、1月下旬は1週間の平均で1日およそ6万6600件でしたが、ことし3月末はおよそ6万3200件と、5%ほど減っています。

国は、経済活動の再開に伴って感染リスクを下げる検査の重要性が高まっているとして、大型連休で旅行や行楽などに出かける前には積極的に検査を受けるよう呼びかけています。

臨時検査所 繁華街のテントやカラオケ店でも 検査数は減少傾向

少しでも検査を受けやすい環境を作ろうと、繁華街にテントを設けて呼び込みを行ったり、カラオケ店で検査が受けられるようにするなど、さまざまな工夫が行われています。

東京 池袋の繁華街では先月中旬からコインパーキングにテントを設けて臨時の検査所が設置されています。

検査に訪れるのは主に20代から60代までの幅広い世代で、地元住民に加えて、周辺の飲食店を訪れる前に立ち寄る人が多いということです。

この検査所では最大1日で100件ほどの検査ができますが、開始以降、1日40件前後にとどまり、最近は減少傾向にあるということです。

週末の22日夕方には、スタッフが通りかかった人たちに対してチラシを配って検査を受けるよう呼びかけていました。

検査を受けた20代の男性は「去年までは予約したりお金がかかったりしていたので助かります」と話していました。

20代の女性は「大型連休で実家に帰省するので検査に来ました。以前はPCR検査はハードルが高いイメージでしたが、無料でいろいろなところで受けられるのは安心できます」と話していました。

検査所を運営するブレインクリニックの河村建良さんは「検査に来る人はだんだん少なくなっていて、検査を始めた3月のほうが多いと感じます。繁華街で行い、無料なので、気軽に幅広い年齢層の方に受けていただきたい」と話しています。

東京 新橋の駅前にあるカラオケ店では、店の隣の空き店舗に無料の検査所を設置しています。

仕事帰りや買い物帰りに立ち寄って検査を受ける人が多く、およそ8割は30代から50代の働く世代だということです。

検査所を設置した2月以降、検査数は多い時には1日50件くらいでしたが、感染が収まるにしたがって減り、最近は検査にも余裕が出ているということです。

検査所を運営するB&Vの荒井兼一営業推進本部長は「カラオケに来るとコロナに感染しやすいというイメージが世の中に定着している。PCR検査をやっていますということで、少しでもイメージの払拭(ふっしょく)につなげていきたい」と話していました。