上海 企業の操業再開は一部にとどまる 泊まり込みに対応できず

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国 上海市の当局は、企業の操業再開を進めているとしていますが、再開したのは一部にとどまっています。
一方で、操業するには泊まり込みでの作業が求められるため、対応できない企業も多く、影響のさらなる長期化への懸念が強まっています。

新型コロナウイルスの感染が拡大している中国の上海では、先月28日から厳しい外出制限が続いています。

こうした中、市当局は経済への影響を抑えようと、自動車や半導体関連などの業種で操業の再開を進めていて、22日、優先的に再開を認めた666社のうち、およそ7割が再開したと発表しました。

ただ、操業を再開したのは上海の企業全体の一部にとどまっているほか、JETRO=日本貿易振興機構によりますと、感染対策を理由に従業員が工場に泊まり込んで操業することなどが求められるため、工場内の設備や運用面で対応が難しい日系企業が多いということです。

また中国政府は、国内の供給網を安定させるとしていますが、貨物トラックの運転手不足による物流の混乱も収まっていないほか、上海と日本を結ぶ貨物便の減便も続いています。

さらに、上海周辺で部品メーカーが多く集積する江蘇省の一部の地域でも、外出制限のため、工場の操業停止が起きていることから、日本への部品供給などへの影響がさらに長期化する懸念が強まっています。