東電原発事故訴訟 群馬への避難者の弁論開かれる 最高裁

福島第一原子力発電所の事故で各地に避難した人たちが国と東京電力に賠償を求めている集団訴訟のうち、群馬県に避難した人たちによる訴訟の弁論が最高裁判所で開かれました。上告されている集団訴訟で唯一、2審で国の責任が認められなかったケースで、原告側は「将来の世代のためにも、国の責任を明確にしてほしい」と訴えました。

原発事故で各地に避難した人などが国と東京電力に賠償を求めている集団訴訟では、2審の判断が分かれた国の責任について最高裁判所で審理が行われています。

22日は上告されている4件のうち唯一、2審で国の責任が認められなかった群馬県に避難した人たちの訴訟で双方の主張を聞く弁論が開かれました。

福島県いわき市から避難した原告の丹治杉江さん(65)は「いわき市では仕事があり、たくさんの友人に囲まれて幸せな毎日を過ごしていたのに原発事故で取り返しのつかないものを失いました。将来の世代のためにも、国の責任を明確にしてほしい」と訴えました。

また、原告側の弁護士は「平成14年に公表された地震の『長期評価』の信頼性を否定した2審判決は間違いだ」と改めて主張しました。

一方、国は「『長期評価』は信頼性が低く、それに基づく試算と実際の津波は全く異なるものだった。対策を指示しても事故は防げなかった」と主張しました。

最高裁は今後、福島と愛媛の訴訟でも弁論を開き、夏にも統一判断を示す見通しです。

意見陳述した原告「2審判決は明らかに不当」

弁論で意見陳述をした丹治杉江さん(65)は「やりたいことがたくさんあったのに原発事故ですべて奪われ、避難して11年間、私の人生はこんなはずではなかったと思い続けました。何としても国の責任を認めてほしいし原発事故で苦しんでいる人たちが、少しでも救われる判決を願っています」と話していました。

また弁護団の関夕三郎弁護士は「万が一、事故が起これば、被害があまりにも大きいことを国は分かっていたはずなのに対応はあまりにもお粗末だったと言える。国の責任を認めなかった2審の判決は明らかに不当で、最高裁判所には正しい判決を出してほしい」と話していました。