コロナ新規感染者数 1週間平均比較 全国で約1か月ぶり減少傾向

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると全国ではおよそ1か月ぶりに減少傾向となり、38の都府県で前の週より少なくなっています。人口が多い首都圏などで減少傾向となっている一方で増加が続く地域もあり、感染状況に差が出ています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では先月24日までの1週間では前の週に比べて0.76倍だったのが、先月31日は1.17倍と増加に転じ、今月7日は1.04倍、今月14日は1.06倍と3週連続で緩やかな増加傾向となっていました。

しかし、21日まででは0.85倍と再び減少傾向となっていて、1日当たりの平均の新規感染者数はおよそ4万2332人となっています。

感染者数は首都圏や関西、東海など、38の都府県で減少から横ばいとなっている一方で、九州の一部や北海道など9つの道と県で増加がしています。

沖縄県

人口10万当たりの感染者数が最も多い沖縄県は今月7日までの1週間は前の週の1.29倍、今月14日は1.17倍、21日まででは1.04倍と5週連続で増加傾向となっています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ1366人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は651.46人と、全国で最も多くなっています。

1都3県

東京都は今月7日までの1週間は前の週の0.99倍、今月14日は1.01倍とほぼ横ばいで推移していましたがきのうまででは0.79倍と減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ5905人となっています。

神奈川県は今月7日までの1週間は前の週の1.01倍、今月14日は1.03倍、21日まででは0.80倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ3158人となっています。

埼玉県は今月7日までの1週間は前の週の0.90倍、今月14日は1.01倍、21日まででは0.73倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ2485人となっています。

千葉県は今月7日までの1週間は前の週の1.03倍、今月14日は0.96倍、21日まででは0.72倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ1862人となっています。

関西

大阪府は今月7日までの1週間は前の週の1.06倍、今月14日は1.05倍、21日まででは0.81倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ3187人となっています。

京都府は今月7日までの1週間は前の週の1.04倍、今月14日は1.00倍、21日まででは0.89倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ817人となっています。

兵庫県は今月7日までの1週間は前の週の0.99倍、今月14日は1.06倍、きのうまででは0.88倍となっていて、1日当たりの新規感染者数は1704人となっています。

東海

愛知県は今月7日までの1週間は前の週の1.00倍、今月14日は1.07倍、21日まででは0.81倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ2174人となっています。

岐阜県は今月7日までの1週間は前の週の1.17倍、今月14日は1.10倍、21日まででは0.89倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ549人となっています。

三重県は今月7日までの1週間は前の週の1.19倍、今月14日は1.04倍、21日まででは0.85倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ515人となっています。

その他の地域

広島県は今月7日までの1週間は前の週の1.09倍、今月14日は1.12倍、21日まででは0.91倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ1003人となっています。

福岡県は今月7日までの1週間は前の週の1.07倍、今月14日は1.11倍、21日まででは0.87倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ2195人となっています。

一方、増加傾向となっているのは9つの道と県で、北海道は今月7日までの1週間は前の週の1.15倍、今月14日は1.13倍、21日まででは1.10倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ2457人となっています。

また、佐賀県は今月7日までの1週間は前の週の1.09倍、今月14日は1.28倍、21日まででは1.09倍となっています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ487人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は420.24人と、沖縄県に次いで全国で2番目に多くなっています。

このほか、山形県は21日までの1週間は前の週の1.03倍、鳥取県は1.28倍、島根県は1.13倍、香川県は1.04倍、佐賀県は1.09倍、長崎県は1.10倍、鹿児島県は1.05倍となっています。

東邦大 舘田教授「連休だからといって油断しないように生活を」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、全国の感染者数が減少傾向になっていることについて「3回目のワクチン接種率が50%近くまで進み、多くの人が感染して免疫を持つ人が多くなっている。また、一人ひとりがリスクを避ける行動をしっかりと続けていること、暖かくなって窓を開けて換気がしやすいなどの季節性の要因も重なって、増加が抑えられているのではないか」と話しています。

その一方で大型連休で人が動き、感染者が急激に増加するおそれがあるとしていて「大型連休で多くの人が訪れる沖縄や北海道などでの感染者数の増加傾向がどう変わってくるか、大型連休が終わったあとに都市部での感染状況がどう推移していくか、これからの2週間、3週間は注意しながら状況を見守っていかなければいけない」と述べました。

そのうえで舘田教授は「今でも全国で去年夏の『第5波』のピークを超えるような感染者数が出ていて、私たちの身の回りにはまだウイルスが潜んでいると考えるべきだ。移動中の乗り物の中や移動した先でふだん会わない人や重症化リスクの高いお年寄りと会って食事をするときなどにも、マスクの着用など、これまでやってきた基本的な感染対策を続け、連休だからといって油断しないように生活することが大事になる。また、帰省や旅行前にワクチン接種を終わらせておくことも考えてほしい。特にワクチンを打てない人は、発熱やのどの痛みなど体調の変化に注意し、体調が悪い場合は移動を避け、早めに検査をして診断することが大切だ」と注意を呼びかけました。