ユネスコ 世界遺産委員会の会合 ロシアでの開催を延期

ユネスコ=国連教育科学文化機関は、ことし6月にロシアで予定されていた世界遺産委員会の会合について、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて延期されることになったと明らかにしました。

新たな世界遺産を決めるユネスコの世界遺産委員会は年に1回の会合をことし6月にロシア中部カザンで開く予定でしたが、ユネスコは21日、NHKの取材に対して無期限で延期されることになったと明らかにしました。

理由についてユネスコは「この決定はウクライナでの戦争を背景としたものだ」としています。

今月中旬まで行われていたユネスコの執行委員会では、欧米を中心にロシアでの開催に反対する声が上がっていました。

今回の会合では日本が推薦している新規の世界遺産候補について審議される予定はありませんでした。

世界遺産委員会は新型コロナウイルスの感染拡大でおととしも会合を開くことができず、去年は2年ぶりにオンライン形式で開催されています。

官房長官「委員会開催の在り方に関する議論を」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「ユネスコではロシアによるウクライナ侵略を受けた現下の情勢に鑑み、今回の決定がなされたものと承知している。わが国は世界遺産委員会の一員として、引き続き委員会の開催の在り方に関する議論にしかるべく参画していく」と述べました。

また記者団から来年の世界遺産委員会で登録の可否が判断される予定の「佐渡島の金山」への影響について問われたのに対し「現下の情勢が登録に与える影響について確たることを申し上げるのは困難だ。いずれにせよ文化遺産としての、すばらしい価値が評価されるよう、国際社会に対し冷静かつ丁寧に説明していく」と述べました。