急速に進む円安 「値上げ」や 「経営への影響」も

20日の東京外国為替市場は、一時、20年ぶりの円安水準となる1ドル=129円台前半まで値下がりしました。その後は円を買い戻す動きも出て、128円台前半になるなど値動きが大きくなりました。

日本製紙連合会「かけ算で効いてくる 本当にきつい」

外国為替市場で円安が急速に進んでいることについて、日本製紙連合会の野沢徹会長は、20日の定例会見で「原料や燃料の価格がすごく上がっているうえ、円安になっているのでかけ算で効いてくる。本当にきつい」と述べ、木材のチップや石炭などを輸入している製紙業界にとっては経営への影響が大きいとして懸念を示しました。

そのうえで野沢会長は「経営でいちばん困るのは急激な為替の変動だ。急激に変動すると、対策がなかなかとりにくく、どうしても後追いになってしまう。非常に憂慮している」と述べました。

コーヒー豆輸入の専門店 “値上げを検討せざるをえない”

コーヒー豆を世界各国から輸入している広島県呉市にある専門店では、円安が続けば、値上げを検討せざるをえないとしています。

この店では、ブラジルやコロンビアなど20か国から40種類、年間およそ40トンのコーヒー豆を輸入し、販売しています。
コーヒー豆は世界最大の産地ブラジルで霜の被害により生産量が減ったほか、物流コストの上昇が続いているため、去年夏以降、仕入れ価格は上昇していました。

そこに追い打ちをかけているのが急速に進む円安です。
海外からの仕入れ価格は去年7月と比べて2倍以上になっています。このため、このまま円安が続き、今ある在庫がなくなれば、値上げを検討するとしています。

固定客が多いことから値上げには一定の理解が得られると考えていますが、サービスの充実を図っていきたいとしています。

「昴珈琲店」の細野修平代表取締役は「円安もありダブルパンチで大変厳しい状況です。どこでストップするか分からないのがいちばんの懸念要素です。価格を上げてもお客さんに納得してもらえる付加価値をつけていきたい」と話していました。

100円ショップ 原材料価格高騰と円安の影響で閉店も

原材料価格の高騰に加え、円安も進展する中、影響は、日常の暮らしを支える100円ショップにも及んでいます。

都内で100円ショップを展開している企業は、商品の仕入れ値が高騰している影響で、来月末までに9つの店舗すべてを閉店する予定で、すでに4店舗を閉め、20日は中央区の日本橋に近い店舗を閉店しました。

扱う商品は中国や東アジアなどからの輸入が多く、原油高や原材料価格の高騰、新型コロナによる中国の生産の休止に加え、去年から続く円安傾向も影響し、ことし1月に閉店を決めたということです。

この店舗は近くの住民やオフィス街の人たちが多く訪れていて、最後の営業日となった20日も、常連客が次々と訪れ、閉店を名残惜しんでいました。

江戸川区に住む60代の女性は「いまの時代、100円で買えるのは助かっていたので、このあたりを通るときは必ず寄っていました。本当に残念で、さみしいです」と話していました。

一方、この企業に商品を卸している商社によりますと、閉店するこの企業への商品の卸値は抑える予定だったものの、急激な円安の影響もあり、卸値は去年末と比べ、2割近く高くなったということです。

この店では、もうけは度外視し、すべての商品を50円で販売していました。

100円ショップの堀内啓吾店長は「頑張ってきたので、名残惜しいですが、販売価格を上げるのは、100円ショップだと難しかったです。経営を続けていったとしても、この円安などの状況では難しいと思います」と話していました。

海外に留学中の人 暮らしの先行きに不安

円安が急速に進んでいることを受けて、海外に留学している人からは、暮らしの先行きを不安視する声が聞かれました。

このうち、カナダ バンクーバーの短期大学に留学している女性は、大学3年まで日本で過ごし、ことし2月から留学生活を始めました。

日本でのアルバイトなどでためた日本円をカナダドルに両替しながら生活費にあてていますが、カナダドルも、アメリカドルにほぼ連動する形で円安が進んでいて、去年の夏ごろは80円台後半で推移していましたが、20日は102円前後まで円安が進んでいます。

円安の進展を受け、3月上旬にまとめてカナダドルに両替したということですが「生活費が足りるかなというのが正直な感想です。もともとカナダの物価が高いのもありますが、日本で生活していたときと比べると、食費は2倍くらいかかっている印象です。外食を控えていて、今月は行かないでおこうと思います」と話していました。

ことしいっぱいはカナダで経営などについて学び、企業で働く経験も予定しているということですが、生活費をまかなうため、予定より早くアルバイトをすることにしたということです。

大学生は「お金が減るのがちょっと早いと思い、生活費が不安になってきたので、アルバイトを早めることにしました。とりあえず、円安が落ち着いてほしいです」と話していました。