大阪市 モデルナ製ワクチン約8万回分廃棄へ 今月25日使用期限

新型コロナワクチンをめぐり、大阪市が用意したモデルナ製ワクチンに大量の余りが出ていて、まもなく使用期限を迎えるおよそ8万回分を廃棄する方針であることがわかりました。
ファイザー製ワクチンの希望者が多いことや、3回目の接種が進んでいないことなどが背景にあると説明しています。

大阪市は、新型コロナワクチンの3回目接種のため、ことし1月下旬に国からおよそ30万回分のモデルナ製ワクチンの供給を受け、今月25日に使用期限を迎えます。

このうちのおよそ8万回分について、市では期限までに使用されるめどが立たず、ほかの自治体でもモデルナ製ワクチンが余る傾向にあるとして、廃棄する方針であることがわかりました。

モデルナ製ワクチンに大量の余りが出ていることについて、市は、ファイザー製ワクチンの接種を希望する人が多いことや、3回目接種を終えた人が対象者の半数程度にとどまっていることなどが背景にあると説明しています。

記者団に対し、松井市長は「国はすべての国民を対象にワクチンを用意しているが、打たない人がこれだけいる。ワクチンには期限もあり、期限を迎えたら廃棄せざるをえない」と述べました。

東京 世田谷区や江東区でもワクチン廃棄

東京 世田谷区は、新型コロナの小児用ワクチンの集団接種会場でワクチンを保管する冷蔵庫の電源が切れるミスがありおよそ1900回分のワクチンを廃棄したと発表しました。

世田谷区によりますと、新型コロナの小児用ワクチンの集団接種会場となっていた大蔵第二運動場で20日、コンセントにさしこむプラグが緩み冷蔵庫の電源が切れていることが分かったということです。

区が確認したところ、冷蔵庫内の温度が上がり、保存に適切な温度を超えていたことから、1920回分のワクチンを廃棄したということで、区内のほかの会場の冷蔵庫の電源の状況を確認するなど点検を徹底したいとしています。

一方、江東区は医療機関の保管ミスなどでおよそ1300回分のワクチンを廃棄したと発表しました。

区によりますと、廃棄されたのは、2つの医療機関で小児用も含めた合わせて1276回分で、医療機関への配送の際、受け取りのミスで冷蔵庫に移さなかったことや冷蔵庫の設定温度が決められた温度より低くしていたことなどが原因だとしています。

区では配送から保管までの管理を徹底するなどして再発防止を徹底したいとしています。

松野官房長官「廃棄ワクチンできるだけ少なく」

松野官房長官は、記者会見で「有効期限の短いワクチンから使用してもなお廃棄につながる事例があると承知している。自治体には接種を促進するとともに、引き続き有効期限の短いワクチンから使用するなど、廃棄されるワクチンをできるだけ少なくしていただきたい」と述べました。

そのうえで、接種現場の負担を軽減する観点から、自治体で廃棄されたワクチンや廃棄予定のワクチンの量を把握する予定はないと説明しました。

一方、記者団が、使用期限の延長は不可能なのか質問したのに対し「有効期間は一定期間保存した場合に品質が保たれるかワクチンを製造・販売する企業で集められたデータに基づき手続きを経て決定される。モデルナ社のワクチンは、現在、有効期間が9か月となっており、これに基づいて取り扱ってもらうことになると承知している」と述べました。