公共交通機関でのマスク着用義務解除で賛否分かれる アメリカ

アメリカで新型コロナウイルス対策として義務化されてきた公共交通機関でのマスク着用について、南部フロリダ州の裁判所が違法と判断したのに対し、ホワイトハウスは引き続き着用を呼びかけていて、市民の間でも賛否が分かれています。

新型コロナウイルス対策として、アメリカのCDC=疾病対策センターが公共交通機関でのマスクの着用を義務化していることについて、フロリダ州の連邦地方裁判所は18日、違法と判断しました。

これを受けてTSA=運輸保安局が着用義務を解除したところ、アメリカの主要な航空会社や鉄道などが相次いでマスク着用を求めることをやめ、ソーシャルメディア上では旅客機の機内で乗客がマスクを外す映像などが投稿されています。

これに対し、ホワイトハウスのサキ報道官は19日、記者団に「公衆衛生に関する判断は裁判所ではなく、専門家によってなされるべきだ」と述べ、引き続き着用を呼びかけるとともに、控訴するかどうか司法省が検討していることを明らかにしました。

首都ワシントンの鉄道の拠点、ユニオン駅の利用客からは「健康を守る簡単な手段なのになぜ解除するのか」といった解除に反対の声が聞かれた一方、「解除されてうれしい。ようやく息ができる気がする」といった声も聞かれるなど市民の間でも賛否が分かれています。