東部マリウポリ ロシア側は掌握へ圧力 ウクライナ側は徹底抗戦

ロシア軍はウクライナ東部の要衝マリウポリの掌握に向け、一層圧力を強めていますが、ウクライナ側は徹底抗戦し、停戦交渉を中止する姿勢まで示すなど、激しいせめぎ合いが続いています。
ロシア軍は、さらに西部リビウの軍事施設へのミサイル攻撃を行うなど首都や西部にも攻撃を再開し、ウクライナ側への揺さぶりを強めています。

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は東部で攻勢を続けていて、特に要衝マリウポリでは、ウクライナ側に武装を解除して降伏するよう要求し、ウクライナの部隊が拠点とする製鉄所を包囲したと主張しています。

マリウポリで市長の補佐役を務めるアンドリュシェンコ氏は17日にSNSで行った投稿で「ロシアの侵略者が市民に通行パスを発行している。パスがない場合は市内の移動も制限されることになる」として市民の行動を厳しく制限し、統制を強めていると批判し、ロシアは完全掌握に向けた圧力を強めている模様です。

これに対し、ウクライナ側は徹底抗戦する構えを示し、クレバ外相は17日、マリウポリの部隊にさらに多くの死者が出た場合、停戦交渉が中止されかねないと強調しています。

さらに、ロシア国防省は18日、各地でミサイル攻撃を行い、このうち、首都キーウの近郊で、大型弾薬庫を破壊したとしたほか、西部リビウ近郊のウクライナ軍の軍事施設をミサイルで破壊したなどと発表しました。

国防省のコナシェンコフ報道官は、リビウの施設への攻撃について、アメリカやヨーロッパからの兵器が運び込まれていたためだと主張し、ウクライナや軍事支援を行う欧米側への揺さぶりを強めています。

これに対して、リビウ州のコジツキー知事は、リビウにある軍事施設や自動車整備の施設が合わせて4発のミサイル攻撃を受け、7人が死亡したことを明らかにしました。

また、リビウのサドビー市長によりますと、子ども1人を含む11人がけがをしたということです。

ロシア軍がウクライナ東部での攻撃を強化しているのに加え、西部や首都への攻撃も再開し、市民の犠牲者も増えていることにウクライナ側は反発を強めています。