マリウポリのウクライナ部隊 降伏応じず ロシア攻勢強める構え

ウクライナ東部で激しい攻撃を続けるロシア側は、防衛にあたるウクライナ側の部隊が降伏の要求に応じなかったことから、一段と攻勢を強める構えです。
ウクライナのクレバ外相は、さらに多くの死者が出た場合、停戦交渉が中止されかねないとする認識を強調し、今後のロシア側の出方が焦点になります。

侵攻を続けるロシア軍は、ウクライナ東部の要衝マリウポリの完全掌握に向けて、ウクライナ側の部隊が拠点とする製鉄所を包囲したと主張したうえで「武器を置いた者は命を保証する」などと呼びかけ、日本時間の17日夜7時までに武装を解除して降伏するよう要求しました。

これに対し、ウクライナ側は期限までに応じず、マリウポリの防衛にあたる準軍事組織「アゾフ大隊」のマキシム・ゾリン司令官は17日、NHKのインタビューに対し「われわれは戦い続け、絶対に降伏しない」と述べて徹底抗戦する決意を示し、支援のための部隊を首都キーウ近郊からマリウポリに向かわせていることを明らかにしました。

また、マリウポリの警察は、地元テレビの取材に対し「ウクライナ側の部隊が拠点とする製鉄所の敷地内には砲撃から身を隠すため多数の女性や子どもがいる」としています。

一方、現地のロシア側の隊長は「われわれの提案が無視された」として一段と攻勢を強める構えだと、国営のロシア通信が伝えました。

これに先立って、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は、ウクライナ側には外国人のよう兵も含まれているとしたうえで「これ以上、抵抗を続ければ全滅させる」と警告していて、ロシア軍による攻撃がいっそう激しくなるおそれがあります。

こうした中、ウクライナのクレバ外相は17日、アメリカのCBSテレビに出演し「マリウポリは、越えてはならない一線になるかもしれない」と述べ、マリウポリの部隊にさらに多くの死者が出た場合、停戦交渉が中止されかねないとする認識を強調していて、今後のロシア側の出方が焦点になります。