「日本国際賞」受賞のカタリン・カリコ博士ら3人が会見

科学技術の分野で優れた業績を挙げた研究者に贈られる「日本国際賞」の、ことしの受賞者の会見が15日行われ、新型コロナウイルスワクチンの開発に貢献したカタリン・カリコ博士ら3人が出席しました。

「日本国際賞」は、国際科学技術財団が科学技術の分野で、人類の平和と繁栄に貢献する優れた業績を挙げた研究者に毎年贈っている賞で、13日授賞式が行われたのに続き、15日、ことしの3人の受賞者の会見が開かれました。

このうち、遺伝物質のメッセンジャーRNAを医療に応用する道を開き、新型コロナワクチンの開発にも大きく貢献したドイツのバイオ企業「ビオンテック」の上級副社長、カタリン・カリコ博士は「もともとはワクチンを作ろうとしていたのではなく、メッセンジャーRNAを医薬品に使いたくて研究を続けてきた。新型コロナウイルスのワクチン開発は利益のためではなく、倫理的な義務感からだった」と話しました。

また、カリコ博士と共同で研究を行い、ともに受賞したアメリカ、ペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン教授は「現在、さまざまな変異ウイルスに効果のあるワクチンの開発を進めている。数年後には完成しているだろう。未来はとても明るいと考えている」と述べました。
植物による二酸化炭素の吸収と、気候変動への影響に関する研究で受賞したアメリカ、スタンフォード大学のクリストファー・フィールド教授は「気候変動の対策には、温室効果ガスの排出削減だけでなく、自然の保護も重要だ。日本などの先進国は、国際的なリーダーとして世界の森林保全に協力してほしい」と述べました。