コロナ新規感染者 1週間平均 34都道府県で前週より増 地域差も

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では緩やかな増加傾向が続いていて、34の都道府県で前の週より多くなっています。首都圏などの都市部では増加が緩やかな一方、地方を中心に増加の幅が大きくなっているところもあり、地域によって感染状況に差が出ています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

▽先月17日までの1週間ではその前の週から0.90倍、
▽先月24日は0.76倍で、
6週連続で緩やかに減少していました。

しかし、
▽先月31日は1.17倍と増加に転じ、
▽今月7日は1.04倍、
▽今月14日まででは1.06倍と、3週連続で緩やかな増加傾向となっていて、
一日当たりの平均の新規感染者数はおよそ4万9888人となっています。

感染者数が前の週より増えたのは34の都道府県で、首都圏や関西、中部の都市部ではほぼ横ばいとなっている一方、九州など増加の幅が大きくなっている地域もあります。

沖縄県

人口当たりの感染者数が最も多い沖縄県は
▽先月31日までの1週間は前の週の1.32倍、
▽今月7日は1.29倍、
▽今月14日まででは1.17倍と、4週連続で増加傾向となっています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ1310人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は625.09人と、全国で最も多くなっています。

1都3県

【東京都】
▽先月24日までの1週間では減少傾向となっていましたが、
▽先月31日までの1週間は前の週の1.19倍、
▽今月7日は0.99倍、
▽今月14日まででは1.01倍とほぼ横ばいで推移していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ7502人となっています。

【神奈川県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.01倍、
▽今月7日は1.01倍、
▽今月14日まででは1.03倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3966人となっています。

【埼玉県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.23倍、
▽今月7日は0.90倍、
▽今月14日まででは1.01倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3411人となっています。

【千葉県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.17倍、
▽今月7日は1.03倍、
▽今月14日まででは0.96倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2577人となっています。

関西

【大阪府】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.10倍、
▽今月7日は1.07倍、
▽今月14日まででは1.06倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3956人となっています。

【京都府】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.28倍、
▽今月7日は1.04倍、
▽今月14日まででは1.00倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ916人となっています。

【兵庫県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.09倍、
▽今月7日は0.99倍、
▽今月14日まででは1.06倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1931人となっています。

中部

【愛知県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.14倍、
▽今月7日は1.00倍、
▽今月14日まででは1.07倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2685人となっています。

【岐阜県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.24倍、
▽今月7日は1.17倍、
▽今月14日まででは1.10倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ618人となっています。

【三重県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.45倍、
▽今月7日は1.19倍、
▽今月14日まででは1.04倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ609人となっています。

その他の地域

【北海道】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.20倍、
▽今月7日は1.15倍、
▽今月14日まででは1.13倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2224人となっています。

【広島県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.37倍、
▽今月7日は1.09倍、
▽今月14日まででは1.12倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1097人となっています。

【福岡県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.25倍、
▽今月7日は1.07倍、
▽今月14日まででは1.11倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ2516人となっています。

一方、増加の幅が比較的大きい地域もあります。

【佐賀県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.66倍、
▽今月7日は1.09倍、
▽今月14日まででは1.28倍となっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ446人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は384.62人と、沖縄県に次いで全国で2番目に多くなっています。

【宮崎県】
▽先月31日までの1週間は前の週の1.47倍、
▽今月7日は1.61倍、
▽今月14日まででは1.29倍となっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ579人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は378.65人と、全国で3番目に多くなっています。

このほか、
▼岩手県は今月14日までの1週間は前の週の1.31倍、
▼長野県は1.26倍、
▼福井県は1.23倍、
▼奈良県は1.31倍、
▼和歌山県は1.20倍、
▼岡山県は1.32倍、
▼徳島県は1.33倍、
▼長崎県は1.29倍となっています。

専門家「増加している地域もあり油断できず」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、現在の感染状況について「地域によって感染に差がみられるのが現在の特徴だ。大都市圏では、地方都市に比べてすでに感染した人が多く、免疫を持っている人が多くなっているなど免疫の面で違いがあると考えられる。それに加えて大都市圏では流行がずっと続いていたため、職場や学校などで積極的、効率的な予防対策が取られていることも一因ではないか」と話しています。

今後について、濱田特任教授は「まだ一日に4、5万人の感染者が出ていて増加している地域もあるので油断はできない。ただ、世界的な傾向としてオミクロン株の流行は減少に向かっているので、注意をしながらもう少し我慢すれば減少に向かう可能性は十分にある。これから大型連休を迎えるが、例えば旅行する際にはワクチンの3回目接種を受け、マスクの着用や会食は少人数で短時間にするなどの対策を続けてもらいたい。体調が悪い場合などには旅行を取りやめることも想定しておいた方がいい。この2年間でどういう行為がリスクが高いか分かってきていると思うので、大型連休でもしっかり対策を続けることが大切だ」と話しています。