北朝鮮 キム・イルソン主席生誕110年 関係国は引き続き警戒

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記の祖父、キム・イルソン(金日成)主席の生誕から15日で110年となり、国営メディアは権力を世襲したキム総書記をたたえています。一方、この節目に合わせた軍事パレードの開催に加え、さらなる弾道ミサイルの発射や7回目の核実験の可能性も指摘されていて、関係国は引き続き警戒しています。

北朝鮮は、キム・ジョンウン総書記の祖父、キム・イルソン主席の誕生日にあたる4月15日を「民族最大の祝日」と位置づけ、生誕110年のことしは「盛大に祝う」としています。

国営の朝鮮中央テレビは通常より早い午前8時から放送を開始し、冒頭、民族衣装を着た女性アナウンサーが「キム主席が生涯大切にした強国への念願は、キム総書記の指導のもと、輝かしく現実になっている」と述べ、権力を世襲して10年となったキム総書記をたたえました。

続いて、キム総書記が13日、住宅のしゅんこう式に出席したニュースを改めて伝えるとともに、生前のキム主席の記録映画などを放送しています。

また、国営ラジオは、首都ピョンヤン中心部の広場で今夜、踊りと歌の公演や花火の打ち上げが行われると伝えていて、国威発揚を図りたい思惑がうかがえます。

さらにキム総書記は、軍の元帥に次ぐ次帥(じすい)の称号を、リ・ヨンギル国防相に与えたほか、降格されていた軍の幹部らを大将に再び昇格させる命令を出し、軍内部の忠誠心を高める狙いがあるとみられます。

一方、北朝鮮が、核・ミサイル開発を加速させる中、15日の節目に合わせて軍事パレードを行い、最新兵器を誇示するのではないかという見方が出ています。

加えて、ICBM=大陸間弾道ミサイル級を含むさらなる弾道ミサイルの発射や、7回目の核実験に踏み切る可能性も指摘されていて、関係国は引き続き警戒しています。

韓国 軍事パレード きょうだけでなく25日に行われる可能性も

韓国統一省は、15日午前の定例の記者会見で、北朝鮮の軍事パレードをめぐる動向について問われたのに対し「韓国政府は、準備の動きを捉えて注視してきた。15日だけでなく、今月25日の朝鮮人民革命軍の創立記念日などに合わせて行われる可能性も総合的に考慮している」と述べました。

また、韓国の通信社、連合ニュースは「韓国の軍や情報当局は、キム・イルソン(金日成)主席の誕生日を記念した軍事パレードは行われないと判断している」とした上で、政府消息筋の話として「15日夕方、市民による大規模な行進が予想される」と伝えています。

岸防衛相 「さらなる挑発活動に出る可能性も」

岸防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「北朝鮮は国際社会に背を向けて、核・弾道ミサイル開発のための活動を継続する姿勢を依然として崩していないことから、今後、さらなる挑発活動に出る可能性も考えられる」と述べました。

その上で「北朝鮮の軍事動向について、引き続きアメリカなどとも緊密に連携しながら、情報収集や警戒監視に全力を挙げて、わが国の平和と安全の確保に万全を期したい」と述べました。

海上自衛隊 米海軍と弾道ミサイル想定した訓練

海上自衛隊のイージス艦が、日本海に展開しているアメリカ軍の駆逐艦などと、弾道ミサイルの発射を想定した訓練を行いました。北朝鮮がさらなる弾道ミサイルの発射に踏み切る可能性が指摘される中、けん制するねらいがあるとみられます。

アメリカ軍は、原子力空母「エイブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群を日本海に展開し、海上自衛隊と共同訓練を行っています。

海上自衛隊によりますと14日までの2日間、
▽海上自衛隊のイージス艦「こんごう」と、
▽空母打撃群を構成するアメリカ軍の駆逐艦「スプルーアンス」や巡洋艦「モービル・ベイ」が参加する訓練が行われ、弾道ミサイルが発射されたという想定で、日米間の情報共有の手順などを確認したということです。

北朝鮮がことしに入ってかつてない頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返し、さらなる発射に踏み切る可能性が指摘される中、これをけん制する狙いがあるとみられます。

一方、海上自衛隊によりますと、アメリカ軍の空母打撃群が日本海に展開したあと、中国海軍の情報収集艦が対馬海峡を通過して日本海に入っていて、防衛省関係者によりますと、空母の周辺を航行しているということです。