上海 感染者急増 隔離施設設置めぐり住民抗議 SNSで動画拡散

中国の上海では、新型コロナウイルスの感染者が急増する中、当局が進める隔離施設の設置などをめぐって住民が激しい抗議活動を行ったとする動画がSNS上で拡散し、現地の混乱ぶりが浮き彫りとなっています。

中国の上海では、新型コロナウイルスの一日の感染者数が、14日は無症状の人を中心に2万3072人確認されました。

感染者数が前の日に比べて減少したのは今月11日以来となりますが、過去最悪の水準が続いています。

上海市当局は、市内の広い範囲で厳しい外出制限を続けていますが、感染者が急増する中、各地で制限が長期化し住民の不満が高まっています。

こうした中、14日に東部の浦東新区で、当局が進めようとする感染者などの隔離施設の設置をめぐって、住民が激しい抗議活動を行ったとする動画がSNS上で拡散しました。

動画では、警察と書かれた防護服を着た人たちが、叫びながら抗議する住民ともみ合いになる様子などが確認できます。

上海市当局は、市内各地に隔離施設の確保を急いでいますが、NHKの取材に応じた住民は、当局がこの地区のマンションの一部を隔離施設にするため、住民に退去を求めたと主張しており、現地の混乱ぶりが浮き彫りとなっています。

習近平指導部は、徹底して感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策を続ける姿勢を繰り返し強調していますが、感染対策をめぐって住民の不満が高まる中、難しいかじ取りを迫られています。