“ロシア出席の見通し” 議長国関係者が明かす G20閣僚級会合

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以降、G20=主要20か国による初めての閣僚級の会合となる財務相・中央銀行総裁会議が、来週ワシントンで開かれます。
焦点になっているロシア側の出席について、議長国インドネシアの政府関係者がオンラインで参加する見通しを明らかにしたとロイター通信が伝えました。

G20の財務相・中央銀行総裁会議は、今月20日にワシントンで開かれ、ウクライナ情勢が世界経済に与える影響などについて議論される見通しです。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以降、G20の閣僚級の会合としては初めての開催となり、ロシア側が出席するかが焦点になっています。

これについて議長国インドネシアの財務省の関係者はロシアのシルアノフ財務相がオンラインで参加するという見通しを明らかにしたとロイター通信が伝えました。

またインドネシア外務省の高官も14日の記者会見で「おそらくすべてのメンバー国が会議に参加するだろう」と述べました。

中国も出席を容認する考えですが、一方でアメリカはG20からロシアを排除すべきという立場です。

新型コロナに加えてロシアによる軍事侵攻が、世界経済の回復の新たな課題となる中、会議の開催に向けてG20各国の間でロシアへの対応をめぐって調整が続く見通しです。

ブラジル有力紙 “ロシア政府がブラジル政府に支援求める”

ブラジルの有力紙「オ・グロボ」は14日、ロシア政府がG20への出席に向け、ブラジル政府に対して公式に支援を求めていたと伝えました。

「オ・グロボ」はロシアのシルアノフ財務相が来週のG20を前にブラジルのゲジス経済相に宛てた公式の書簡を入手したとしています。

この中で、ロシア側は「外貨準備のほぼ半分が凍結され、新興国のパートナーとの貿易が阻止されている」などとして、アメリカなどの経済制裁に強い不満を示したということです。

そのうえで「われわれをG20に出席させないようインドネシアの大統領に強い圧力がかけられている」と指摘したということです。

その一方で「G20などの枠組みで対話を促進させることがこれまで以上に重要だ」と述べロシアがG20など国際的な枠組みから排除されることがないようブラジル政府に対して協力を求めたとしています。

これについてブラジル政府の公式の反応はありませんが、ブラジルはロシアからの輸入に頼る肥料の安定確保などのため、経済制裁には加わらずロシアとの経済関係を維持する姿勢を示しています。

松野官房長官「連携し適切に対応」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「ロシアのウクライナ侵略に起因する食料やエネルギー価格の上昇や新型コロナ対応を含め、世界経済の諸課題を議論する大変重要な会議で、基本的には各国の財務大臣や中央銀行総裁の参加が想定されている。各国の参加の有無は各国政府から議長国のインドネシアに対して登録がなされるもので、他国のそれぞれの参加見込みについて日本政府はお答えする立場にない」と述べました。

そのうえで「先月のG7=主要7か国の首脳声明では、国際機関や多国間フォーラムは、もはやこれまでどおりロシアとの間で活動を行うべきではないとされている。こうした考え方も踏まえ、G7各国やG20=主要20か国の議長国のインドネシアなどと緊密に連携しながら適切に対応していく」と述べました。