新型コロナワクチン開発に貢献 ビオンテックのカリコ博士 来日

新型コロナウイルスワクチンの開発に大きな貢献をしたドイツのバイオ企業、ビオンテックのカタリン・カリコ博士が来日し、14日、NHKの単独インタビューに応じました。
カリコ博士はウイルスの感染拡大が続く中、今後はさまざまな変異ウイルスに対応できるワクチンが重要になるとして、次世代のワクチン開発を進めていることを明らかにしました。

カリコ博士は人工的に作り出した遺伝物質、mRNAの医療への応用の道をひらき、ファイザーなどの新型コロナウイルスワクチンの開発に大きな貢献をしたことで世界的に知られる研究者です。

優れた業績をあげた研究者に贈られる「日本国際賞」の授賞式のため来日していて14日、NHKのインタビューに応じました。

この中でカリコ博士は、新型コロナウイルスのパンデミックについて、まだ終息の見通しはたっていないという認識を示したうえで「変異ウイルスが出現することでワクチンを接種しても再び感染してしまう。一生にわたって保護されるわけではないということがわかってきた」と述べ、これからはウイルスとどのように共存するかが大切になると指摘しました。
またそのためには、次々と出現する変異ウイルスに対応できるワクチンの開発が重要になると指摘し「私たちは、さまざまなコロナウイルスに共通する部分を標的にしたワクチンの開発を試みており、いま動物実験を進めている。科学者として実現可能だと信じている」と述べ次世代のワクチン開発を進めていると明らかにしました。

そして最後に、日本で科学者を目指す若い人たちにエールを送りたいと話し「自分の科学に集中すること。すべての時間を科学に費やし楽しんだとき、人々を助ける何かを作り、貢献することを目標にするべきだと気付く。私は40年間、何の賞ももらわなかったがそれでも幸せだった」と述べました。