物価上昇 政府の緊急対策を前に 自民・公明両党が首相に提言

物価の上昇を踏まえた緊急対策を政府がまとめるのを前に、自民・公明両党はそれぞれ岸田総理大臣に提言を行いました。
岸田総理大臣は緊急対策を再来週に発表する考えを示し、今後、財源などをめぐって、政府・与党で調整が行われる見通しです。

自民の提言は

ウクライナ情勢に伴う物価の上昇を踏まえ、政府が月内に緊急対策をまとめるのを前に、自民党の高市政務調査会長らは、岸田総理大臣に、党の提言を手渡しました。

提言では、原油高騰対策として、今月末までとなっている石油元売り会社への補助金を、来月以降も延長するとともに、補助額の上限の25円を超える支援を検討するよう求めています。

また、新型コロナの影響に加え、物価の高騰で生活に困っている人への支援措置について、支援金の給付を含めた強化を要望していて、スピード感を重視して今年度予算の予備費で対応すべきだとしています。
これに対し、岸田総理大臣は「しっかりと受け止めて政府として対応を考えていく」と述べました。

高市政務調査会長は、総理大臣官邸で記者団に対し「今年度の予備費を使ってできる対応を盛り込んだ。物価高が進み、為替の影響もあるので、緊急に対応しなければならないことについては迅速性を重んじ、予備費で対応するという考え方に変わりはない」と述べました。

公明の提言は

公明党の石井幹事長らも提言を手渡しました。

この中では、ガソリン税の上乗せ部分の課税を停止する「トリガー条項」の凍結解除の実施や、石油元売り会社への補助金の限度額の引き上げなどを重ねて求めています。

また、生活に困っている人には、自治体への交付金を大幅に拡充して迅速に支援すべきだとしていて、対策を果断に実行するため今年度の補正予算が必要だとしています。

石井氏は記者団に「補正予算案を編成して今国会で成立させるべきで、予備費の積み増しも必要になる。自民党と考えに開きがあるのは事実だが、埋めるべく精力的に調整したい」と述べました。

岸田総理大臣は、公明党に対し、再来週、緊急対策を発表する考えを伝えていて、今後、財源などをめぐって、政府・与党で調整が行われる見通しです。

松野官房長官「提言も踏まえ検討を加速させたい」

松野官房長官は午後の記者会見で「政府としては、先月29日の岸田総理大臣の指示を踏まえ、関係省庁で総合緊急対策に盛り込む具体的施策を検討しているところであり、与党の提言も踏まえ、今月中の取りまとめに向けて検討を加速させていきたい」と述べました。

また、今年度の補正予算案を今の通常国会で編成するかどうかについて「岸田総理大臣からは、まずは一般予備費とコロナ予備費を活用した迅速な対応を優先するとの指示があったところであり、政府としてこの方針に沿って検討を進めているところだ」と述べました。