国連事務総長 人道的停戦 難しいとの見方 働きかけを継続

ウクライナ情勢をめぐり国連のグテーレス事務総長は、ロシアとウクライナの双方に担当者を派遣して人道的な停戦を呼びかけたものの、現時点で実現は難しいという見方を示しました。一方で、市民の避難や人道支援の安全を確保するようロシア側に求め、回答を待っていると明らかにし、双方への働きかけを続けていると強調しました。

ウクライナ情勢をめぐり国連のグテーレス事務総長は、市民の犠牲を食い止めるための人道的な停戦をロシアとウクライナに呼びかけていて、今月3日から人道問題担当のグリフィス事務次長をモスクワとキーウに派遣しました。

これについてグテーレス事務総長は13日、記者団に対し「現時点ではわれわれが望む停戦は可能ではないようだ」と述べ、人道的な停戦の実現は難しいという見方を示しました。

一方でグテーレス事務総長は、市民の避難や人道支援活動の安全を確保するようロシア側に求め、回答を待っていると明らかにし、双方への働きかけを続けていると強調しました。

また、グテーレス事務総長は、ロシアによる軍事侵攻が世界に及ぼしている影響について報告書を発表し、食料やエネルギーの価格上昇が貧困と飢餓を引き起こしていて、17億人が混乱にさらされていると指摘しました。

グテーレス事務総長は「世界の弱い立場の人たちが巻き添えの被害を受けてはならない」と述べ、国際社会に対してウクライナやその周辺国だけでなく、世界の途上国への支援も呼びかけました。