ロシア軍の攻撃「戦争犯罪にあたる」と指摘 OSCEが初の報告書

ロシア軍の侵攻が続くウクライナでの戦争犯罪などについて調べてきたOSCE=ヨーロッパ安全保障協力機構は13日、初めての報告書を公表しました。

OSCEは欧米諸国とロシアも加盟しています。

調査は、軍事侵攻が始まったことし2月24日から今月1日までのウクライナ国内のできごとを対象として、ウクライナ当局やNGOからの情報のほか、報道の内容などをもとに、国際法や戦争犯罪に詳しい3人の専門家が行いました。

報告書では、短い期間での詳細な調査は困難だったとしながらも、先月9日、東部マリウポリで産科などが入る病院が攻撃されたことについて、ロシア軍によるものと断定し、「意図的なもので、有効な警告や退避の期限もなかった。国際人道法の明確な違反で、戦争犯罪にあたる」と指摘しました。

さらに、先月16日、マリウポリで大勢の人が避難していた劇場が破壊されたことについては、破壊したのはウクライナ側だとするロシア側の主張を裏付けるものはないとしたうえで、「目に余る国際人道法の違反の可能性が高く、それを命じたか実行した者は戦争犯罪を犯した」と指摘しています。

そして、「ロシア軍が国際人道法を重視していれば市民の犠牲はかなり減っていたはずだ」などと結論づけています。